
no.166 両想いになれるお呪い
妻が人身事故で電車が止まり帰宅が遅くなると言うので、
小学生の娘を風呂に入れている時に、
娘からとある両想いになれるというお呪いの話を聞いた。
やり方はちょっと面倒。
先ず自分の名前と両想いになりたい男の子の名前を赤い水性マジックで紙に書き、
それを水の入ったガラスのコップの中に入れて溶かす。
溶かしたらそのままコップごと『ある場所』に持って行き、呪文を唱える。
呪文は、自分の名前と両想いになりたい男の子の名前を、
交互に頭の中で三回づつ唱えるだけ。
その後コップの中の水を小指の先につけて、
濡れた指先で眉間、鼻の下、顎の先を軽く触る。
これでおしまい。
コップはそのまま『ある場所』に置いたままにしておき、
置いてから五日の間に雨が降ってコップの中の水が溢れたら、
神様の力で願いが叶うらしい。
子供らしい無邪気な話しだと思い聞いていたが、
『ある場所』について教えて貰った時に、
オレは湯船に浸かりながら、背筋が凍る思いがした。