・no.16 生前の挨拶
・no.17 2階に誰かいる!
・no.18 脳死についてのタブー
・no.19 急患
・no.20 お賽銭の金額
■生前の挨拶
昨年の話。
お婆ちゃんが亡くなった。しかも正月、元旦に。
享年85歳。死因は心筋梗塞とのこと。年の割には背筋もぴんとして、ボケもなくて、とてもそんな年には見えない元気なおばあちゃんだった。
住んでいたのが青森の田舎だったので、葬儀屋は近くに一軒しかなく、なおかつ営業開始日は4日。
結局その日まで待つことになった。
腐っちゃうんじゃないかと心配だったので、担当の人に聞いたら暖房とかつけなければ真冬だから大丈夫といわれた。じいちゃんは豪快に雪にでも埋めとくかなんて言ってたりした。
それからいろいろあったが葬儀も無事に済み、松の内も開けた1月7~8日頃。
不思議な事が起こった。
郵便受けに聞き覚えのない人達から、お婆ちゃん宛の年賀状が4通入っていたのだ。
差出人は四国と九州、大阪、名古屋。 もちろんそれぞれ別の人からである。
どの年賀状にも共通してる言葉は、
「わざわざ遠いところからお正月なのにお見舞いにきてくれてありがとう。」
着日から逆算すると、たぶん葬儀までの4日間お婆ちゃんはいろんな人に会いに行ったらしい…
■2階に誰かいる!
会社の同僚の話。
会社の同僚は戸建てに一人暮らしをしている。
もともとは祖父母の住んでいた家で空き家になっていたのだが、就職を機に住むことにした。
一人で暮らすにはかなり広い二階建ての家だったので、上は物置として使い、一階だけで生活をしていた。
そんなある日。
飲んでくつろいでいた時のこと。夜も9時をすぎていたが呼び鈴をならす者がいる。
誰だろうと思って玄関を開けると、隣に住む60代のおばあさんであった。
何かあったんですか?と訪ねると、
「あんたの家の2階に知らない人がいる。」
という。
もちろん家には自分一人しかいないので、
気のせいですよと言ったが、いや絶対にいる。
私は見たと言ってきかない。
実はこのおばあさん、たまにこういうことがある。
いい加減めんどくさくなり、しっかり見るから大丈夫。と無理矢理追い返した。
その夜。布団に入り、うとうとしていると2階から物音がする。
気のせいではなく、はっきりと聞こえた。
さっきの話もあったのでとても怖くなったが、確認しない訳にも行かないので、
恐る恐る2階へ向かった。
そーっとのぞくと、人影らしきものが。
意を決して「誰だ!」と電気をつけるとそこに立っていたのは先ほどのおばあさんだった。
手には包丁を持っている。
あまりの展開に情けない悲鳴を上げながらあわてて部屋を飛び出し、即通報した。
そして程なく御用となった。
警察官に聞いた話によると、
「2階に知らない人がいると忠告したのに、聞く耳を持たないから守ってやろうと、屋根をつたって侵入した」とのことだった。
もし気づかず寝ていたら今頃どうなっていただろう。
結局人間が一番怖いと同僚は言っていた。
■脳死についてのタブー
ある医者に聞いた話。
そいつは脳死した患者から臓器移植をする専門の病院に勤めている。
脳死の患者から臓器を取り出す際、臓器への負担や、移植のしやすさを考えて
麻酔をかけることはないそうだ。
もともと、脳が死んでる状態だから痛みなど感じないので問題ないはずだが
じつは、その臓器を摘出する手術のときかなり暴れる。
腕を振り上げたり、ひどいものになると上半身を起こす勢いものまで。
しかしこの事実は公表をしてしまうと臓器移植自体が問題になってしまうので控えられているとのことだ。
また、ドナーカードについても注意が必要だ。
脳にダメージがあるとき、基本的に水分の補給をしてはいけない。
脳が水ぶくれのような状態になってしまい、損傷が広がってしまうことがあるからだ。
しかし、ドナーカードで臓器移植に同意をしていると、逆に水分を補給される。
それは臓器をみずみずしく保つため、そして積極的に脳を殺して脳死状態にするためだそうだ。
■急患
おれが当直だった夜に、急患でおれは叩き起こされた。
患者の様態急変とかで、まあよくあることだ。
処置室に行くとちょうど患者が救急車で病院に着くときだった。
急患らしい。
救急車からストレッチャーで下ろされたのは、真っ黒に焦げた遺体(にみえた)だった。
救急車のスタッフにきくと、交通事故をおこしたドライバーで引火した車のなかで取り残されたらしい。
50代位の男性だった。
一応、生きてはいるが、そりゃもう表面なんかコゲコゲで
人の肉の焼ける独特のにおいがあたりに立ちこめ、俺はもう吐き出しそうになった。
全然動く気配もない。もう時間の問題だ。
「すごいですよ。一応心停止してません。まあ、もうだめでしょうけど」
と救急隊員は言った。
医師も
「あー、こりゃすごいね」と言って治療をする気もなさそうだ。
「ひどい・・・・」看護婦も目が怯えていた。
普通ならば2度熱傷といわれるやけどが体表の30%を超えると死亡率が上がるといわれている。
誰の目にみても助からないのは明らかだった。
俺は一応検査をするための準備にかかった。
機器を用意している部屋に入って準備をしていたら、その黒こげの患者が運ばれてきた。
おれは腕に検査の為に針を刺すのでその患者の血管をさがしたが
表面が黒こげでどこに血管があるか分からなかった。
「あー、これ、メチャクチャでどこだか分かんないよ」と俺は言った。
皮膚のまともなとこを探そうと腕をつかんだとき、その黒こげ患者が言った。
「・・・そんなに私、ひどいんですか・・・・」
「あ、あ」
俺は声にならなかった。ずっと意識はあったんだ。
今までの俺達の会話を聞いていたんだ。
■お賽銭の金額
お賽銭には金額によって意味があることをご存じだろうか。
5円・・・ご縁がありますように
12円・・・十二分に縁がありますように
15円・・・十分ご縁がありますように
25円・・・二重にご縁がありますように
45円・・・始終ご縁がありますように
しかし、中には悪い意味になってしまうものもある。
10円・・・縁が遠のく
65円・・・ろくなご縁がない。
75円・・・なかなかご縁がこない。
85円・・・やっぱりご縁がない。
95円・・・ここにもご縁がない。
105円・・・とうとうご縁がない。
500円・・・これ以上効果(硬貨)がない。
多ければ良いというものではない。気をつけよう。
昨年の話。
お婆ちゃんが亡くなった。しかも正月、元旦に。
享年85歳。死因は心筋梗塞とのこと。年の割には背筋もぴんとして、ボケもなくて、とてもそんな年には見えない元気なおばあちゃんだった。
住んでいたのが青森の田舎だったので、葬儀屋は近くに一軒しかなく、なおかつ営業開始日は4日。
結局その日まで待つことになった。
腐っちゃうんじゃないかと心配だったので、担当の人に聞いたら暖房とかつけなければ真冬だから大丈夫といわれた。じいちゃんは豪快に雪にでも埋めとくかなんて言ってたりした。
それからいろいろあったが葬儀も無事に済み、松の内も開けた1月7~8日頃。
不思議な事が起こった。
郵便受けに聞き覚えのない人達から、お婆ちゃん宛の年賀状が4通入っていたのだ。
差出人は四国と九州、大阪、名古屋。 もちろんそれぞれ別の人からである。
どの年賀状にも共通してる言葉は、
「わざわざ遠いところからお正月なのにお見舞いにきてくれてありがとう。」
着日から逆算すると、たぶん葬儀までの4日間お婆ちゃんはいろんな人に会いに行ったらしい…
■2階に誰かいる!
会社の同僚の話。
会社の同僚は戸建てに一人暮らしをしている。
もともとは祖父母の住んでいた家で空き家になっていたのだが、就職を機に住むことにした。
一人で暮らすにはかなり広い二階建ての家だったので、上は物置として使い、一階だけで生活をしていた。
そんなある日。
飲んでくつろいでいた時のこと。夜も9時をすぎていたが呼び鈴をならす者がいる。
誰だろうと思って玄関を開けると、隣に住む60代のおばあさんであった。
何かあったんですか?と訪ねると、
「あんたの家の2階に知らない人がいる。」
という。
もちろん家には自分一人しかいないので、
気のせいですよと言ったが、いや絶対にいる。
私は見たと言ってきかない。
実はこのおばあさん、たまにこういうことがある。
いい加減めんどくさくなり、しっかり見るから大丈夫。と無理矢理追い返した。
その夜。布団に入り、うとうとしていると2階から物音がする。
気のせいではなく、はっきりと聞こえた。
さっきの話もあったのでとても怖くなったが、確認しない訳にも行かないので、
恐る恐る2階へ向かった。
そーっとのぞくと、人影らしきものが。
意を決して「誰だ!」と電気をつけるとそこに立っていたのは先ほどのおばあさんだった。
手には包丁を持っている。
あまりの展開に情けない悲鳴を上げながらあわてて部屋を飛び出し、即通報した。
そして程なく御用となった。
警察官に聞いた話によると、
「2階に知らない人がいると忠告したのに、聞く耳を持たないから守ってやろうと、屋根をつたって侵入した」とのことだった。
もし気づかず寝ていたら今頃どうなっていただろう。
結局人間が一番怖いと同僚は言っていた。
■脳死についてのタブー
ある医者に聞いた話。
そいつは脳死した患者から臓器移植をする専門の病院に勤めている。
脳死の患者から臓器を取り出す際、臓器への負担や、移植のしやすさを考えて
麻酔をかけることはないそうだ。
もともと、脳が死んでる状態だから痛みなど感じないので問題ないはずだが
じつは、その臓器を摘出する手術のときかなり暴れる。
腕を振り上げたり、ひどいものになると上半身を起こす勢いものまで。
しかしこの事実は公表をしてしまうと臓器移植自体が問題になってしまうので控えられているとのことだ。
また、ドナーカードについても注意が必要だ。
脳にダメージがあるとき、基本的に水分の補給をしてはいけない。
脳が水ぶくれのような状態になってしまい、損傷が広がってしまうことがあるからだ。
しかし、ドナーカードで臓器移植に同意をしていると、逆に水分を補給される。
それは臓器をみずみずしく保つため、そして積極的に脳を殺して脳死状態にするためだそうだ。
■急患
おれが当直だった夜に、急患でおれは叩き起こされた。
患者の様態急変とかで、まあよくあることだ。
処置室に行くとちょうど患者が救急車で病院に着くときだった。
急患らしい。
救急車からストレッチャーで下ろされたのは、真っ黒に焦げた遺体(にみえた)だった。
救急車のスタッフにきくと、交通事故をおこしたドライバーで引火した車のなかで取り残されたらしい。
50代位の男性だった。
一応、生きてはいるが、そりゃもう表面なんかコゲコゲで
人の肉の焼ける独特のにおいがあたりに立ちこめ、俺はもう吐き出しそうになった。
全然動く気配もない。もう時間の問題だ。
「すごいですよ。一応心停止してません。まあ、もうだめでしょうけど」
と救急隊員は言った。
医師も
「あー、こりゃすごいね」と言って治療をする気もなさそうだ。
「ひどい・・・・」看護婦も目が怯えていた。
普通ならば2度熱傷といわれるやけどが体表の30%を超えると死亡率が上がるといわれている。
誰の目にみても助からないのは明らかだった。
俺は一応検査をするための準備にかかった。
機器を用意している部屋に入って準備をしていたら、その黒こげの患者が運ばれてきた。
おれは腕に検査の為に針を刺すのでその患者の血管をさがしたが
表面が黒こげでどこに血管があるか分からなかった。
「あー、これ、メチャクチャでどこだか分かんないよ」と俺は言った。
皮膚のまともなとこを探そうと腕をつかんだとき、その黒こげ患者が言った。
「・・・そんなに私、ひどいんですか・・・・」
「あ、あ」
俺は声にならなかった。ずっと意識はあったんだ。
今までの俺達の会話を聞いていたんだ。
■お賽銭の金額
お賽銭には金額によって意味があることをご存じだろうか。
5円・・・ご縁がありますように
12円・・・十二分に縁がありますように
15円・・・十分ご縁がありますように
25円・・・二重にご縁がありますように
45円・・・始終ご縁がありますように
しかし、中には悪い意味になってしまうものもある。
10円・・・縁が遠のく
65円・・・ろくなご縁がない。
75円・・・なかなかご縁がこない。
85円・・・やっぱりご縁がない。
95円・・・ここにもご縁がない。
105円・・・とうとうご縁がない。
500円・・・これ以上効果(硬貨)がない。
多ければ良いというものではない。気をつけよう。
コメントする