都市伝説

・no.21 ダイビングの都市伝説
・no.22 止まる車
・no.23 ヒサル
・no.24 くちさけ女の発信源
・no.25 桃太郎の後日談


■ダイビングの都市伝説
耳抜き、という言葉をご存知だろうか。

水中に潜る際、鼓膜に圧をかけて破れるのを防ぐ方法だ。
ダイビングの基本として習う技術である。

もし耳抜きをせず、深く潜ると鼓膜が破れてしまう。
水中で鼓膜が破れた人間は一瞬で上下の感覚を失ってしまい、
自分が潜っているのか、浮き上がっているのかの感覚もつかめなくなってしまうそうだ。

なので、鼓膜が破れた人は、激しい痛みと、上下の感覚が無くなったことにパニックになってしまい
水面にあがろうと必死にもがく。
しかし、上下の感覚がないためさらに深く、深くに潜っていってしまうことがあるそうだ。

その様子はまるで何者かによって水中へ深く引きずり込まれていく様に見えるらしい。



■止まる車
最近の車には、前に車が接近しすぎると自動的にブレーキをかけてくれるものがある。
CMでみたことがある人も多いだろう。

あのシステムは車両の上部についている2つカメラが前方の車を認識し
自動でブレーキをかけるようになっている。

今販売されているものは車しか認識しない。
これは車しか認識できないのではなく、車のみに反応する様に設定しているだけなのだ。
それはなぜか。
じつは初期の頃、人身事故防止のため人間も認識できる様に作っていた。
しかし、いざ公道での実験を行うと不具合が多発した。

前方に誰もいないのに車が勝手にストップしてしまうのだ。
しかも特定の場所、数カ所で。

原因を特定しようとしたところ、車が勝手に止まってしまう場所にはある共通点があった。

それは交通事故多発地帯ということ。
カメラは目に見えない何かを人と認識し、自動で車を止めていたのだ。

いまだ解決手段は見つかっていない。



■ヒサル
もずって言う鳥知ってる?
捕まえたトカゲとか昆虫とかを木の枝に突き刺して保存食にする鳥なんだけど。
はやにえっていう行動なんだって。でも所詮は鳥だから刺したこと忘れちゃうんだって。
だから、刺さりっぱなしになっているのも田舎ではちらほら見かけたな。なんか懐かしい。

そういえば子どもの頃、じいちゃん家の山によく遊びに行ったなあ。
トカゲやカエルやバッタなんかが枝に刺さっているのはもずの忘れ物だって、その時じいちゃんに教えてもらった。

で、ある時、しんごん山だったかじんこん山っていう少し離れた山にじいちゃんとタケノコ掘りに行ったとき
狐みたいな動物がすごく高い枝に刺さっているのを見つけて、
「すげー!じいちゃん、見て!あれすげーよ!もずのはやにえだよ!」って指差したら、
じいちゃんは険しい顔をして「あれはヒサルだ。もう帰ろう」って言ったのを覚えてる。
俺はタケノコ掘りすごく楽しみにしてて、いやだって駄々こねたけど、その時猛烈に怒られた。
じいちゃんに怒られたのはあれが最初で最後だった。
ヒサルがいるときは山に入っちゃいけないって。
なんか猿の仕業なのかなーとか思ってたけど、あれは何だったんだろ?
ヒサル?非猿?誰かしらない?



■くちさけ女の発信源
口裂け女は1970年代後半に急速に広まった都市伝説である。
大きなマスクをし、「私キレイ?」と聞いてくる。
キレイですよと答えると、「これでも?」とマスクを取る。
その口は大きく耳まで裂けている、といったものだが、話に尾ひれがつき最後は凶悪な殺人鬼になってしまった。
今のようにネットもない時代、なぜここまで急速に、そして全国的に広まってしまったのか。
これにはある社会現象が関わっている。
実はこの時代、学習塾が一気に増えている。
塾に子どもを通わせることが一種のステータスとして流行った時期でもあるのだ。
塾にはいろんな学校の生徒が集まる。
塾で聞いた話を学校で話し、それがまた別の塾で広まる。
話の性質から、圧倒的速度で全国的にひろまったらしい。
それを証拠に学校が長期休暇となる夏休みを境に、口裂け女の話は急速に廃れてしまった。
ちなみにこの話の発信源は誰だったのだろうか。
日本での情報伝達の仕組みを調べるために、アメリカのCIAが送り込んだ調査員が調べたところによると
ある岐阜県の主婦が浮かび上がった。
なぜその主婦はそんな噂を流したのか。
じつはそこには悪意もなにもなく、ただ経済的に自分の息子を塾に行かせることができず、
「塾に行って夜遅く帰ると口裂け女が出るよ」とついた嘘がすべての始まりであったと結論づけられている。



■桃太郎の後日談
日本でもっとも有名な昔話の一つ桃太郎。

この話に後日談があるのをご存じだろうか?
鬼ヶ島から帰ってきた桃太郎は毎日家でごろごろしていたらしい。
逆に退治された鬼は心を入れ替え、村人に謝り、農作業を手伝うようになった。
そんなことがしばらく続いたある日、あまりに働かない桃太郎に業を煮やしたおじいさんとおばあさんは桃太郎の殺害を決意。
皆が寝静まった夜に、桃太郎を殺し、再び桃に詰めて川に流してしまったという話がある。
他にも、鬼ヶ島から帰りその偉業に気をよくした桃太郎は、当時国を治めていた大名に謀反を計画。しかし、計画は直前に裏切った猿よりばれてしまい、処刑されてしまう。それ以来犬は猿が嫌いになり犬猿の仲という言葉が生まれたとか、よいまま終わらない話が日本全国で語り継がれている。
皆に愛されるはずの桃太郎だが、盛者必衰の理を日本人は決して忘れないのだ