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俺の知り合いに、みえる人がいる。
その友人自体も俺からしたらなんか怪しいやつなんだが、
たまに奇妙な眉唾ものの体験談を聞かせてくれる。

これはその友人が某所で占い師をやっていたときの話。ちょっと長め。
お前占いなんて出来るのか、と驚いたが、
本人曰く「簡単。見えたの言うだけ。あれでお金取るの悪い気がするね」
と、なんか怒られそうなことサラッと言ってくれた。

友人はある駅の側で、小さな机にそれらしい水晶玉置いて、それらしい格好して、少しの間だが占い師をやっていたらしい。水晶玉は通販で買ったとか・・・。
最初のうちは客なんてまったく来なかったそうだが、見料500円、という比較的安いお値段のためか、暇つぶしっぽい人がちらほらと来るようになったらしい。




18
友人「かなりリーズナブルなお値段なはず。同業者から文句言われそうだけど」
俺「リーズナブル、というかお前、お金取ってやってたのか」
という抗議はスルーされた。
友人「その客の中で、スゴイのが来たんだよ。目の前に座ってきた時、あーこれは料金設定失敗したな、と思った」
俺「どうスゴかったんだ?取り憑かれてたか?」
友人「いや、なんというかな。ヨレヨレのスーツ着たサラリーマン風の男で、顔面蒼白で、酔っ払いみたいな足取りで」
俺「なんか重病だな。占いというより病院紹介してやった方が良さそうな」
友人「そうかもなぁ。でも、もう氏んでたし、病院は意味なかったろうなぁ」
俺「はぁ!?」
思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
どうやら友人は、死人相手に占いをしたと言う。
本当かどうか怪しい気もしたが、面白そうなので大人しく話を聞くことにした。


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友人「その客が、こんなこと言うんだ。「占い師さん、俺のこと見てくんねぇか」って。まったく困ったよ。だって未来は見れないだろうしさ」
俺「ちょっとしたブラックジョークだよなぁ。それじゃ、言ってやったのか?「あなたもう氏んでるから、未来ありませんよ」って・・・」
友人「言おうと思ったが、なんというか、取りあえず見てみることにした」
俺「見たのか・・・」
友人「まぁね。でも水晶玉見つめてみたけど、なんにも見えなかった」
俺「そりゃ、通販で買ったものだからじゃ・・・?」
友人「いやいや、普通の人のならアレで大丈夫。まぁ、簡単な占いレベルなら、ただのガラス玉でも良いのだろうね」
まぢですか・・・とか思いながら続きを聞く。


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友人「仕方ないからカード使おうと思ったけど、なんか確実に良くないカードでるって分かったから止めておいた」
俺「思いっきり死神とか引きそうだな。よく知らないが」
友人「まぁそんな感じ。それで、どうしようかな~と水晶玉見ながら考えたさ」
俺「難しい顔しながら水晶玉見ていたわけか。お客を誤魔化すには良さそうだな」
友人「そこで思いついたのさ。そうだ、氏んだ時のことを思い出させよう、と」
俺「んん?見る方法を思いついたんじゃないのか?」
友人「それもよかったのだけど、やっぱりちゃんと成仏してくれないとヤバイからさ。ほら、悪霊とかになったら大変だし」
俺「ただ見る方法が思いつかなかっただけじゃ・・・」
友人「そんなことは、ない。まったくない。疑うな」
どうやら見るのは諦めたようでした。


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友人「それで色々質問してみた。いつからここに居るのか、ここにどうやって来たのか、どこに行くつもりなのか、と」
「そうしたら結構簡単に分かったよ。ここには会社に行く途中に通りかかったらしい。信号がどうしても渡れない、急いでいるのに・・・って困った様子だった。なんとかしてくれと誰かに頼みたいのに、誰も振り向いてくれない、と」
俺「あの駅の側かぁ・・・何か事故でもあったのかな?」
友人「後で調べたら、2ヶ月くらい前に交通事故があって、通勤途中の男性が氏んでる」
俺「なるほど、それか。で、どうしたんだ?」
友人「こう言ったよ。あの信号を渡る必要はありませんよ、会社に行く必要もない。あなたには他に行かなければならない所がある、って」
「そこの信号機の下に花が置いてあったから、そこに行って花に触れなさい、そして自分の名前を声に出して言いなさい、と言ったよ」
俺「ふーむ、なんかのおまじないか?」
友人「まぁそんなようなものかな。その花は、その人のために置かれたものだと思ったからさ」
俺「それで無事に?氏んでるのに無事っていうのも変な話か」
友人「うん。信号機の所で、すーっと消えたよ。ちょっと供養もしておいた」
その後、友人は新しい花を買ってそこに置き、お祈りしてきたらしい。


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友人「いやぁ、ほんと、慣れない事はするものじゃないね」
俺「あー、まったくだ。なんで占いなんてやろうと思ったんだ?」
友人「なんか良くない?美少女占い師、って。ミステリアスっていうか、なんというかグッとくるでしょ」
「美」なのかどうかは人の好みだが、確実に「少女」ではない、という突っ込みはやめておいて、調子にのっている友人に他の点を攻めてみた。
俺「でも一度見ようとして諦めて、結局普通に成仏させて終わった訳だな」
単純な友人は少しカチンときたらしい。それでか、渋々とこんなことを言った。
友人「実を言うと、見えなかった訳じゃない」


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また強がりを、と思いつつ嫌味半分で聞いてみる。
俺「そら凄いねぇ、どうやって見たんだ?それで一体何が見えた?氏んだ人の未来には」
友人「直に見た。氏んだ人を直視なんて、二度としたくないけど。次やったら、私死ぬかも」
ちょっと後悔してるような素振り。
氏んだ人の目の奥を覗き込むことなんで、俺にはできない。
そしてこう言った。
友人「何が見えたかは言えない。正確に言うと、覚えてない。きっと覚えていてはいけないことだったと思う。生きている人間が知ってはいけないこと。生きている世界にある言葉では、表現できないことだと思う」

長い付き合いの友人は、そう言って話を締めくくった。
そして講釈代とか言って、その日の飲み代を奢らされた。
悔しいのでここに書き込んでみた。






引用: 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?169