山岳姫

「山岳姫と地蔵の祟り」完結編+後日談です。
山岳メンバーで楽しい初登山のはずが恐ろしいナニカを怒らせて、山の中で次々と呪われていくメンバー達。不気味な黒い影が蠢く中、はたしてスレ主たちは無事に生還できるのでしょうか――(おうまがタイムズ)


前編
http://blog.livedoor.jp/o_cult/archives/1029777383.html


98: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)07:06:58 ID:eGz
二階に上がれる階段は朽ち落ちていた訳ではなく、
急な階段はあったけど、見るからに朽ちていたので登るのを断念したそうでした(確認したの会長)。
二階には多分残されているモノはそうなかったと思われます。

蝋燭の火を会長が持ってきていたライターで火をつけると部屋の中が明るくなる。、
それだけで部屋の中はユラユラと火の光で明るくなって、同時に全員が落ち着きを取り戻し始めた。
男手はホコリだらけの床にブルーシートを持ってきて敷き、異常が起こっているB子たち三人を横にした。
その後、窓から様子を伺うのに徹した。

何度か窓の外に黒い影が見える。ただ一定距離からコチラに入ってくることはなく向こうもコチラの様子を伺っているようだった。

ただ誰もしゃべらず漠然と時間だけがすぎる。
時折聞こえてくるビニールテープのカシャシャシャと言う何かが触れる音と、
カタカタ多分普通に物音なんだけど歩く音みたいに聞こえた。

山岳姫「救援が来る様子はないね」

全員分かっていただけに妙に苦しい思いな顔をしていた。

山岳姫の指示で残りの食べ物・飲み物を確認する。
ポイントについてから飲む予定だったインスタントコーヒーとぬるま湯、他女子が持っていたジュースとお菓子、それに弁当が残っていた。

とは言っても一日持つかどうかも怪しい量で今日の晩の分を山岳姫は分けた。

山岳姫は「テント張る予定だったら持ってくる物は持ってきていたのだけどね」と言っていたのが印象深かった。
つまり大した日数どころか一日も持たない量だと皆察したからである。

そのまま何事もなく俺らは夜を迎えた。



99: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)07:15:05 ID:eGz
雷は遠くで鳴っていて、雨の音は激しさを増していた。

一度、火の近くに全員集まりながら(B子たちは横にして)、その日の晩の分を食べた。
女子たちは倒れた三人に食事をとりあえず取らせようとしているが誰も飲み込めていなかった。
結局無理やりでも食べさせるのは「詰まったら危ない」からという会長の言葉でやめにした。

食事を取りながら話を交わしていた。

山岳姫「さっき言っていた訳の分からないことってなに?」

F美「き、聞きますか……」

F美が言うには口数が少なくなってきた頃、最初にG子がソワソワし始めたらしい。
それに続くようにH美もキョロキョロ辺りを見渡していたそうだ。

G子「なんか何か見える……こっちを見ているみたい」

H美「そうだよね?何かさっきから視界の端に映るんだけど……雨の雫かな?」

他のF美含む異常がない三人が周囲を見渡したけど、何も居なかった。

ただG子とH美は「居るよ居るよ」と言い出して二人して肩を寄せていたらしい。
熊だとかイノシシだとか言っていたけど、そうじゃないとも言っていて、

突然キャ!と悲鳴あげて「顔顔ナデた」「今触られた!」と言い出し、
二人は顔を撫でてパニック状態になった途端、フッと倒れたそうだ。

すまん下手くそな説明だけど当時そう説明された。
多分各々が説明を脳内補正していたと思う。



100: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)07:25:30 ID:eGz
山岳部員で異常がないF美を始めとする三人は「今何が起こっているんですか?」と聞いていた。
山岳姫は三人が何も分かっていないのを察してか「雰囲気悪いところに居たから調子崩しただけよ」と三人を励ましていた。

俺やD男で「男達で見張っているから皆は寝ていな」と言う。
もちろん全員拒否したが、会長が「寝れる時に寝ておかないと」と映画か何かでありがちな台詞を言い、
山岳姫は「皆、素直にそうしなさい。私は申し訳ないけどそうするね」と率先して横になる。

俺たちは塞げそうな物で塞げる所は塞いだ。
そんな物音でも女子達は山岳姫を除き全員寝ていた。
俺らも疲れてはいたが、女子たちも相当疲れていたんだなと思った。

山岳姫は「私は平気だから」と言って女子達を見ながら、
時折小さな唸り声をあげるB子たち三人の様子も見ていた。あと火の番をしていた。

俺らはドア側の窓から外の様子を見ていた。

会長がコーヒーを貰ってきて「今日は徹夜で見張りかもなー」と言った。
あとで「変わってもらう」とかさっき言っていたが、そんなつもりは毛頭なかった。
お湯もほとんど冷めていてインスタントをかなり浸しながら飲んだ。
砂糖とミルクは非常食になるからと入れずに飲んだコーヒーは本当に苦かった。



101: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)07:50:12 ID:eGz
窓から眺めていた外は月の光で照らされているものの鬱蒼としていた。
本当に真っ暗じゃないけど霧が出ている見たいな。雨で視界もかなり悪かった
とにかく絶対に怖い話とか怖いことを思い出しちゃいけない雰囲気が漂っていた

一応外で何かが動く影があったけど、慣れてきていて俺らはさほど驚かなかった。

俺らは気休め程度に居酒屋の話をしていた。
どこどこの焼き鳥屋が美味しかったとか、あそこのお姉ちゃんは可愛かったな―とか
ちょっと男よりな話題な時は、遠くで山岳姫が「サイテー」と笑いながら言っていたと思う。

少し経ってから山岳姫もちょっと興味が出たのかコッチにやってきて話題に参加した。

会長「そうだ、今話た居酒屋行きません?」

山岳姫「なにそれナンパ?」

会長「ちょww」

俺・D男「会長ナンパですね 露骨だわー」

会長「い、いや!サークル同士で何か飲みに行こうと……!」

山岳姫「合コンですか?ww」

俺・D男「女癖が悪い会長で、すみません」

会長「…」

山岳姫「イイヨ」

俺・D男「え!?」

会長「なんでお前らが嬉しそうな顔しているんだよ……」



102: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)07:50:25 ID:eGz

山岳姫「ウチの部、合コン禁止なんだけどねw」

俺ら「おおっ!」

山岳姫「ああ言う場、皆強引にお酒飲ませてくるしマナーない人多いじゃん?」

会長「大丈夫!一応、俺らビジネスマナーについて講習受けているからマナーはある方なんです!w(←実話です)嫌がる人に強引に酒を飲ませる上司になるなってオッサン連中(講師)から言われてるw」

山岳姫「でもソッチかなりお酒飲んでいるんでしょ?A子から聞いているよ」

俺「お酒飲むけど、普通に飲み歩きしているだけですよー」

D男「あ、ならさ、喫茶店(バイト)で開けば?ケーキ美味しいって評判じゃん」

俺「ああそう言えば先輩もやっていたよね」

山岳姫「ああー例の喫茶店か」

その後、山岳姫に「正直に言って下心あって来たんでしょ」とか、ビシビシ怒られ気味に言われながら合コンの予定を取り付けた。ちなみに男子は俺ら(・とC男)限定とのことでした。

そんなこんなで夜深くになっていた。



105: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)08:17:54 ID:eGz
たしか喫茶店の自慢のケーキについて話していた頃だったと思う。

ゴド、ゴドゴドっと鈍い音が聞こえてきた。
俺が気が付いて皆に言うと、本当だと皆も気がついた。
家を叩かれている音ではなかった。
すっかり見張り番も忘れていた俺らは最悪の事態を想像しながら、恐る恐る外を見た。

黒い影は相変わらず動いていた。白い目がコチラを睨んでいる。
でも音の正体は彼らじゃない。

D男が「なんか見えない?でかい岩?」と指をさす。
最初は見えなかったが、そのD男が指差す物が近くに来た時ソレが見えた。

黒い影とは別に巨大な黒い塊がゴロンゴロンっと転がっていた。
木にぶつかると、方向を変えて、また木にぶつかり、方向を変えて進んできている。
だんだん刺か何かが生えてるようなやけにゴツゴツしているモノだとわかりはじめた。
大きさも4mぐらいあったと思う。

全員釘付けになったかのように見た。



106: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)08:21:41 ID:eGz

それは人が沢山集まって塊になっている球体だった。
人たちが集まっている球体だった。刺みたいなのは腕だった。
着物を着ている人から当時少し古いと感じた洋服を着た人、
登山風の格好をしている者に、ふるい日本兵みたいな格好をしたモノまで居た。
ちなみに某日本軍が行軍した地域ではないです。

かなり近づいた時、月明かりでハッキリ見えた。
球体の人たちは白目を向いてパカッと口を開けて仰向けになっていた。
体を仰け反らせてくっついている。ガムテープを丸めて頃がした後にくっついたホコリみたいに。

そこで山岳姫が気が付いて声を上げた。

山岳姫「なんで雨降っているのに月明かり出ているの?」

>>101で気がついた人いると思うけど、確かに雨は降っていたんだよね。
結構。だけど月明かりが出ている状況。それも結構明るく。

今だから考えれば、そういう雨もあり得ると思うけど
それでも長時間降る雨なのに、月明かりが出ているっていうのがやっぱ考えられない。

火の番を疎かにしていた為、火がジュッと音を立てて消えた。

より一層外の形式に目が釘付けになる。



108: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)08:35:29 ID:eGz
D男が何かに気が付いてパクパクと口を動かした。

D男「アレ……C男じゃね……?」

人の塊がグルグル転がっている途中、見慣れた姿があった。
間違いなく救援を呼びに行ったC男だった。
他にも救援メンバーの山岳部女子の一人がくっついていた。

今でもハッキリ覚えているけど、口パカッと開け白目(?目を見開いている)姿は気味が悪くなる。

会長が窓を開けて「C男!」と叫びだし、山岳部もくっついている女子の名前を叫んだ。
俺やD男も叫んだ。必氏に名前を読んでいる。

すると、うまい具合にコッチへ二人を向けた状態で塊が停止した。

C男「ああああああああああああああああああ!!」
女子「あああああああああああああああああ!!」

二人悲鳴がコッチに届いた。全員声が出なくなるほど驚く。
その顔は不安に怯える顔になっていてもがいていた。
俺らの方を見ると「助けて助けて!」「イヤイヤ!イヤダの!」と必氏に叫んでいた。
目は辺りを見合わたし、また体をばたつかせ始める。

騒ぎに気がついた寝ていたF美女子達も目を覚ます。
と言うよりB子たちが起きあがり目が覚めた感じだった。

三人の顔はポケーッと口を開けていて正気がないのは一目で分かった。

F美女子達「どうしたの?」「う、動いて平気なの?」

一人がF美を踏み転ぶ。バタバタと脚を動かしている。それが歩いているんだと気が付いた。
他の二人はドアへ向かって歩いて行っている。



109: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)08:45:59 ID:eGz
訳がわからないながらもF美女子たちはB子たちを止めた。
一人はバタ…バタ…と床へ向かって脚を歩めている。
外ではC男と山岳部女子が悲鳴を上げながら苦しそうにもがいている。
今までリーダーシップを発揮していた山岳姫も何も言えない状態で立ち尽くしていた。

俺は頭の中で流れた嫌な想像を喋ってしまった。

俺「もしかしてだけどさ、この廃墟にさ……俺ら誘導されたんじゃね?」

D男「は!?なに馬鹿なこと言っているんだよ!」

俺「嫌だってそうじゃん!お前も気がついただろ月明かり出ているのに雨が降っている!
 雨宿りじゃないけど他の人間ならそう考えてこの家に入ろうとか思うんじゃないの!?」

俺「ゴキブリホイホイ分かるだろ!?アレだよ!
 都合よくあの黒い影たちに家に誘導されたんじゃねーの!?」

会長「馬鹿なこと言っているんじゃねーよ!」

会長は俺の胸ぐらを掴みながら怒鳴りつけた。
俺はハッとなって口を塞いだけど、そう思い出したら俺は外に飛び出したかった。



110: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)08:59:15 ID:eGz
会長「と、とにかくC男達をどうしようか!」

山岳姫「もう訳わかんないよ……なんでなんで……」

会長が助言か何かを求めて見た先で山岳姫は頭を抱えて泣いていた。
流石に俺らを含み全員が何か心が折れるような感覚がした。
山岳姫の気丈な振る舞いが俺らを支えていたのだと痛感した。

外では「オイ!!オイオイオイィイイイイイイ!!!!」とC男がコッチを見て怒鳴っていて
女子も「山岳姫さん!山岳姫さん!!!」と叫んでいる。
家の中は女子達が一斉に泣き出し、B子たちは「ああああ」とかよく分からない声を発している。
山岳姫は座り込んで鳴き始めてしまった。

会長も俺も泣きそうで、D男だけがパニクっているが確りと辺りを見渡していた。

そしてD男はパッと壁に掛けてあった日本刀を手に取る。
刀身は出てこなかったけどかなり重そうだった。

D男「おい!B子たちを行かせるなよ!!」

そう叫ぶとD男は日本刀を棒を持つように持ちながら外へ飛び出していった。
瞬間黒い影がD男に襲いかかるが、D男は日本刀を振り回し塊へ走って行く。



112: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)09:04:32 ID:eGz
俺も訳がわからなくなったけど、近くにあった水筒を持って飛び出した。
会長も理由は分からないけど、俺と一緒に小さめのリュックを持って飛び出す。
多分俺らは、山岳姫や女子たちを助けなきゃと思って行動したんだと思う。

外に出て分かったが生乾きした雨の匂いと、それ以上に濃い獣の生臭い匂いが充満していた。
黒い影の目が細めたように白い線になりニヤニヤと笑っていた。

水筒を振り回すと黒い影をすり抜けた。ただ黒い影は俺の方へ手を伸ばしてきた。
触れると羽毛の様な感触と冷たすぎる感覚がして、背筋がゾゾッとした。
身の毛もよだつとはこのことかと思った。

霧を吹きかけられたといえばいいのかな。そんな感じで冷たい感覚がズーッと全身に広がっていく感じ。
今やって分かったけど、自分の手をブワッと広げるのを腕にやるとその感覚に近い
あと無数の蜘蛛が腕を這って来ている感覚かな。

あっという間に俺らは無数の黒い影に取り憑かれてしまっていた。
冷たいような熱いような、とにかく獣臭さすぎてクラクラするかと思った。

それでも重くはなかった。
筋肉痛のような痛さはあったけど動けた。指先はしびれていたけど力は入った。

会長「俺君、D男!普通に走れる!ガンバれ!」

顔に黒い小人のような影が張り付いた会長が叫んだ。
小人はクビの部分をヘニャリと曲げて俺を見ていたので少し怖かった。



113: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)09:13:58 ID:eGz
人の塊に到着すると、本当に大勢の人がくっついているのだと悟った。
白目を向いていて口をダランっとだらしなく開けている人たちがほとんどだったが、
中には「うー!うー!」と唸りながら塊の隙間からコッチに助けを求めている正気がある人も居た。

近づくと無数の手が助けを求めるように俺や会長、D男へバッと伸びて、ウネウネとしている。

「助けて!」「痛い!」「苦しい!」「気持ち悪い!」
「嫌だ!」「ああ!」「コッチです!」「コッチだ!」

自分の状態を告げる声や助けを求める声が大勢聞こえたが、俺らは一心不乱に二人を助けようとした。

二人は球体の人に手や腕、お腹を抱きつかれている形で捕まっていた。
手を叩き、時には多分指を折ったり、多分水筒や日本刀で周囲の人や女子の影にいた人の顔を殴ったりもしていたと思う。

何度も俺らも足や腕を掴まれ転びはしたが、すぐに会長やD男やら、自力でだったりして抜け出し、
再び突撃して助け出すのを繰り返して、ようやく女子を剥がすことに成功した。



115: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)09:24:03 ID:eGz
C男は女子より酷かった。
顔や腕や胴体など、急に「コイツだけは!」と言わんばかりに腕に掴まれた。
何度叩いても切りがなく、コッチの方が捕まりかけるほうが多くなってくる。

俺らは一度、女子を家の方へと連れて戻ることにした。
両腕を掴んで引きずりながら家でダッシュした。

ただ体に影が付いているのを悟って「ここにおいておくから!」と誰かが叫ぶと、C男の元へ戻った。

その時、人の塊はゴトゴトと動き始めてしまった。

C男の「嫌だああああ!嫌だぁあああ~!ああああ助けて助けて!助けて下さい!」と言う声だけが聞こえてくる。

俺らは迷った。あのままC男を助けるべきか。

そんな時だった。地鳴りのような声で言われた。

「おしい、もう少しだったのに」

複数の低い声をした男が発した声と言えばいいのかな。
その重低音がゴゴゴッと山から響いてきた。

途端、ゴトゴトと何十もの黒い塊が目の前を遮っていった。
それは黒い影に取り憑かれて人が何人も転がって来ていた。
その人達は互いにぶつかると狂った様にお互いを掴み合っていた。
そして狂った声をあげて互いに噛みつき合いながら転がっていく。

もしもC男を追っていたら、あの人たちに体を掴まれていただろうと察した。
腕だけならまだ何とかなるかもしれないが、あんな体全体で飛びつかれ、噛み付かれたら、どうなったか分からない



116: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)09:33:36 ID:eGz
C男の悲鳴と絶叫が段々と遠くなっていくのを俺たちは聞くことしかできなかった。
巨大な人の塊も、目の前を横ぎった人たちも、姿が見えなくなる。
いつの間にか俺らの体の取り憑いていた黒い影たちも姿を消していた。
雨も止んでいた。

俺らは漠然とした状態でありながらも、家の方へと戻るしかなかった。
C男の悲鳴は聞こえていたが、どうすることもできなかった。

家に入ると山岳姫が「大丈夫?」と声をかけてきた。
俺らは何も答える事ができないまま、黙って座り込んだ。
酷く疲れたし全身が痛かった。

会長「あれ、あの子は?」

助けだしたはずの女子が家の中に居なかった。

山岳姫「えっと……三人が連れ戻したあと姿が消えちゃって……」

他の女子二人も見ていたようで怯えた顔で頷いていたが、
俺らはもう驚くことができなくなり静かに「そうなの」としか言えなかった。

俺「B子さんたちは?」

山岳姫「暴れるの大変だったけど、なんとか……」

B子たちはデタラメな格好で横にされていた。
止めるのが大変だったと乱れたブルーシートとかを見て、確かに暴れたのだろうと感じた。
床のほうも幾つかの場所が抜けていた。



117: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)09:43:12 ID:eGz
女子達(F美たち)に「何があったの!?」「アレはなんなの!?」と責め寄られたが
俺らは何も答える事できず「うるせー」としか返事しなかった。
被害者面と言うか、助けて助けてアピールする女子に少しイラついていたのかもしれない。
今考えると、それは普通だし仕方がないことなんだが。

またひとりの女子は何も見えていなかったような事を全員に話していた。
その子が言うには突然俺らが騒ぎ始め、B子たちが騒ぎ始め、外で俺らが暴れ始め
いつの間にか助けた女子がいて、でも急に姿が消えて、なんなのと。
確かになんなのと、俺も感じた。

そんな時だった「おーい!みんな!」と外からC男の声が聞こえた。
慌てて俺らは立ち上がり、山岳姫も他の子たちも、窓から外を見た。

そこには救援に向かった時の格好をしたC男と、
「○○山岳会」と墨で書いたはっぴを着る人たちが4人居た。

疑心暗鬼じゃないけど、俺らはC男のことを疑った。



118: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)09:47:18 ID:eGz
C男「どうしたんだよ?」

救援隊「うん、どうしたんですかー?」

C男「救助隊呼んできたよ!」

会長「お前本当にC男か?さっきお前が変なバケモノに取り憑かれているの見たんだぞ!!」

正確には掴まれていたか呑み込まれていただけど、会長はそう叫んでいた。

C男「なに言っているんだよwお前ら場所移ってたんだな!w」

そう言いながらC男達はドンドン家に近づいてきた。

D男「まて!」

救助隊「ん、なんですか?」

D男「そこで待ってろ。すぐに行くから」

C男「すみません、なんか混乱しているみたいで」と言いながら歩こうとしたら、

D男「だから来るなっつてんだろ!!」とものすごい声で怒鳴り返した。



119: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)09:55:51 ID:eGz
俺らは「え、行くの?」と話し合っていた。
女子達の方も薄々「C男じゃないんじゃない」と察していたらしい。
でも女子の一人も「もしかして本当なんじゃない?」と言ったが、
山岳姫が「暗い山道を明かりも持たずにやって来れるのよ?」と言った。

そこで改めて全員がゾッとして口を閉ざした。
外ではC男と救助隊の人たちが「すみませんねー」と世間話するかのように話をしている。

会長「……C男とは長い付き合いだから俺が」

D男「いや、俺が行くよ。あれはどう見てもC男に感じられない」

山岳姫「ダメ、みんな行っちゃダメ」

オレ「多分、行かなければアイツら強引にでも入ってくると思う……」

外では苛立った声のC男が「おーい、まだ?」と呼びかけてきていた。
どう考えてもおかしいのだが救助隊の人も「具合悪い人でも居るのですか?そっち行きましょうか?」と聞いてくる。

オレ「とりあえず今あったことをハッキリと伝えよう。地蔵のことも。
 で、様子を見るし、それでもダメならどうにかして最初に俺らが救助が本物かどうかを確認してくる」

D男「もしも偽物の俺らが戻ってきてもマズイよな……」

山岳姫「それじゃ合言葉は……さっきの日付で」(合コンの日付

そうして俺らは外に出た。一応手に武器になりそうな物を各々持ちながら



120: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)10:02:37 ID:eGz
最初にC男が「どうしたんだよww怖い顔をしてww」と明るく話しかけてきた。
確かにそんな感じがC男に似て履いた。

だが、俺らは無視してコッチで何があったのかを説明した。

救助隊らしき人たちも「ああ、地蔵の件は聞いています」と相槌していたが、
黒い影や人の塊、その塊にC男がいた事などは何も言わずに黙って聞いていた。

C男「つまり俺がオバケじゃないかってこと?w」

会長「それ以外にないでしょ?」

救助隊「こんな山の中に居たので気がふれちまったか?」

D男「とにかく、最初に救助隊が本物かどうか調べさせてくれ」

救助隊は俺らが山に入った県の救助隊だと語った。
地名も町の名前も合っていた。

あえて明かりのことは聞かずにどうやってきたのかを、会長が尋ねた。

救助隊「いえ、此処ら辺は遭難すると大抵その家に人が集まりますのでー」

会長「此処ら辺で遭難とかあるのですか?」

救助隊「君らも一応今は遭難者だからね」

会長「事前に調べたけど遭難なんて話なかったですが」

救助隊「そりゃ数は少ない」

会長「大抵がその家にあつまるのに数少ない人たちが皆あの家に集まるっておかしくはないですか?」



123: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)10:10:03 ID:eGz
救助隊「まあ、おかしいですが……」

会長「……とりあえず、他の子たちはどうなったの?」

C男は「保護された」としか話さない。
ちょっと目が泳ぎ始めている。

C男「えっと、だからさ……。とりあえずコッチ来てくれないか?
 すぐそこに他の救助隊の人たちも着ているから!」

救助隊「そうです。これ以上迷惑かけるなら山の中に置いていくぞ?」

そういうと他の救助隊の人たちが家へと向かおうとする。

D男と俺で捕まえて突き飛ばす。
温かいし実態はあり変に俺は安心したけど、状況が変過ぎて安心もすぐに消えた。

会長「なら最初に俺らがそこに行きます。その後、本当なら俺らが彼女たちに説明しますので」

少しC男が明るい顔をした。
救助隊は渋々と言った顔だったけど、それを受け入れたようで、俺らを案内し始める。

俺「あの地蔵はなんなのですかね?」

救助隊「いや地元でも聞いたことがないね」

俺「この山には変な話とかあるのですか?」

救助隊「特に聞いたことはないね―」

そんな感じで会話も適当に流されながら俺らは歩いていた。



125: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)10:23:47 ID:eGz
歩いている間もC男が色々話しかけてくるが、俺らは無視し続けた。
そういう性格なヤツだったけど、もう少し考えて発言するヤツだったのでおかしかった。

D男が「ちょっとおかしくないですか?」と言って全員の足を止めた。

救助隊「なにがおかしいですか?」

D男「ちょっと歩いてみてくださいよ」

救助隊は黙って下を向いた。

D男「いいから歩いてみろよ」

救助隊「……はぁ」

そう言うと救助隊全員の姿が消えた。薄くなっていって消える感じだった。
D男が怒鳴りながら「アイツラ足音を立てていなかった」と言った。

C男は黙ってコッチを見ていた。消えないで。



126: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)10:28:14 ID:eGz
会長の「お前は消えないでいいの?」を合図に
C男は「ちがうんだ、ちがうんだ、ちがうんだ」とひたすら言い始めた。

C男「そうしないと。そうしないと。そうしないと」

D男「テメェ、オレらの事をどうするつもりだったんだよ!」

C男「助けて助けて助けて、嫌だ氏にたくない」

そんな事を言いながらコッチを見ていた。

またゴドン、ゴドンっと、さっきの人の塊の音の倍近くの音が聞こえ、
奥のほうで巨大な塊が動いてコッチに来ているのが見えた。
同時に獣の匂いが立ち込め始めた。

もしかしたら俺かもしれないけど、最初に悲鳴をあげて一人が走りだすと全員して走り始めた。

C男が「待って!待ってください!待って!!」と悲痛な声で叫びながら追いかけてくる。

俺らは手に持っていた物をC男に投げつけたが、全部外れた。

幸いにも、最初に伸ばしておいたビニールテープをすぐに見つけることができた。

C男が「待ってって!待って待って!あああああああああああ!!」と奇声を上げながらコッチに迫ってきた。

ただ、そのまま俺らを追い抜いて行くと、一人足早に家の方へ走っていった。
ものすごい速さだった。

同時に山岳姫たちが危ないと俺らもつられて必氏に走った。



127: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)10:42:42 ID:eGz
家に着くとC男がガラスに手を突っ込みながら、必氏に家の中へ入ろうとしていた。
D男がC男を持ち上げるとドテッと投げ捨てた。

丁度奥から唸り声とも鈍い声の悲鳴とも助けを求めている弱々いい声とも聞こえる
重なって意味不明になった声が聞こえてきた。ゴドンゴドンと言う音は続いていた。

俺らがドアを開けようとすると、ドアは動かなかった。
中にいる人達が抑え、山岳姫は「合言葉は!?合言葉は!?」と叫びながらドアを抑えていた。
会長は慌てながら日付を何度も叫ぶと、ドアが開き俺ら三人は飛び込む。

そんな後に続いてC男も飛び込んでこようとした。
腕をはさみながら必氏に扉に入ってこようとする。
絶叫しながら「あああああ!」と手をバタつかせていた。
怖かった。

誰も窓から様子を見ず、ドアの影に隠れるように身を隠していたが家の前まで塊が来たのを感じた。

C男のドアを掴んでいた腕がズズッと上がって行く。
C男が「嫌だ嫌だ!はなせはなせ!」と叫んでいた。

そんなのを見ていたら何故か山岳姫が突然C男の腕を掴んだ。
C男もパッと山岳姫の腕を掴む。

会長「なにやってるんだよ!?」

山岳姫「この人は本当のC男君だよ!」

一瞬迷ったが、外から聞こえたC男の悲鳴と助けを求める声を聞いて、俺らもすぐにC男の腕、もしくは山岳姫の体を掴んだ。
ドアから外の様子は見えないが、C男が引っ張られているのは感じた。

どのぐらいそうしていたか分からないが、急ににフッと軽くなりC男の体が落ちてきた。



128: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)10:49:31 ID:eGz
山岳姫は急いでドアを開けてC男を家の中に入れようとした。

ドアを開けたら底に巨大な黒いモヤが立っていた。
さっきから見ていた黒い影と同じ感じなのだが、奈良の大仏並の巨大さだった。
ここからは見た人たちの話をまとめた結果になるけど、

見上げて見たヤツは巨大な白い目があったや、ニヤニヤと笑っていたとか。
俺とかはしっぽを見ていた。
山岳姫は全身が黒いモヤに覆われているだけで猿だったと言っていた。
同時に周囲に黒い人の塊があったり、無数の人影がこっちを見ていたりしたらしい。

C男を入れの中に入れるのは一瞬だったし、そんなにゆっくり見れなかったが、
とにかく「連れて行かれる!」と強く思えた。本能的に関わっちゃいけないと感じた。

家の中に入れると目を見開いたC男が「ありがとう」と壊れたように繰り返した後、姿が消えていった。



132: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)11:19:44 ID:eGz
そのまま何をしていたのか詳しくは覚えていないけど、
とにかく外が明るくなるまで家の中でジッとしていたと思う。

あながち俺が口走ったゴキブリホイホイも間違って居なかったのか、
何度も外で「おーい」や壁を叩く音とかしていた。窓なんかとてもじゃないが見れたものじゃなかった。
一度だけドスッ!と家が揺れるほどの強さで壁に何かが打つかったが、それ以外は目立ったこともなかった。

日が昇ると同時に「家を出よう」と話していたとき、ドアをノックされた。

「すまんが、すまんが、一人おりませんかぁ?」と、おばあちゃんの声だった。

「ミハケ様がお呼びだ。C男おりませんか?」

会長「す、すみませんが。そんな人はおりません」

「あら、そうですかぁ。ならぁ、他の方々はミハケ様がお探しですがぁ?」

D男「結構です。お引取りお願いします……」

「なんだぁ。だーれもこねぇの。ならなんで此処に来たんだぁ?」すこし怒っていた。

オレ「す、すみません……来るつもりはありませんでした」

「ンあー?謝らんでいい、ただ次来たら喰ってやるからなぁ」

ここから早口で

「ミハケ様はニンゲン様より知恵がある。ミハケ様は罠をはるのがうめぇ、ニンゲンすら使う。
 オメェらが怒らせたのはワガラ(我ら?)だが、ミハケ様はただオメーらを喰っちまいたいだけだ。
 オナゴが4人もおったら……まあいー。
 日が出ているウチにデテけ、ワガラに貢もミハケ様にも事がないなら出てけぇ
 腹減って動けねーなら、これでも喰っとけぇ。帰れぇ」

そう言うとドアの向こうあった気配がフッと消えた。
しばらくして恐る恐るドアを開けて見ると、ドアの前にはニンゲンの指らしき物が葉っぱの上に乗っていた。



133: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)11:25:31 ID:eGz
山岳姫が悲鳴を上げて指を蹴っ飛ばすと、遠くのほうで「もったいねーが!!!!」と怒鳴り声が聞こえた。
すぐに再びドアを閉めると「喰ってやるぞ!ミハケ様に喰わせるぞ!」と言う声がした。

また時間をおいて再びドア開けると指はなくなっていた。
代わりに無数の虫が変なシミに集っていた。

その後、B子も体調が治り、他のG子もH美も普通に起き上がり、すぐに家を出た。
腐った豚肉みたいな色も全部消えていた。しかし頭はクラクラしていたと言っていた。

以後、俺らの周りで変なことは怒らなかった。

歩いてそう時間もしないウチにすぐに山道に出れた。
近くを通りかかった登山客に助けを求めて救助された。

先に出ていた救援を呼びに行ったグループは無事に保護されていた。
ただこちらの方は保護されたのが夜中だったそうだ。



137: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)11:34:20 ID:eGz
救助に向かったグループは何故かあの地蔵地帯に戻ってきていたらしい。
その後も何度も地蔵地帯に戻ってきてしまい、C男が切れて地蔵の一つを蹴ったそうだ。

途端、静止したかと思うと狂った様に笑い声をあげて山の中に走って行ってしまったらしい。
慌てて一人がC男を追いかけに言ったそうだが、その子が俺らが助けだした子であった。

残された三人はとりあえず助けを求め再び道を歩いたらしい。
本当なら遭難の可能性もあるため動かない方がいいが、
絶対に山道から距離は離れていないからと歩いたそうだ。で日が沈んだ頃に保護されたらしい。

情報を受け救助隊がすぐに山に入ったそうだけど、見つけられずにいた。

一方、C男を追いかけた女子は町で発見されたらしい。
体中は握られたようなアザだらけで事件かと騒がれていた。

で、C男は早朝。突然奇声をあげ、山道を走っていたらしい。
その時は「助けて助けて!」と叫んでいたそうで、酷い錯乱状態だったらしい。

二人は俺らが保護された少し後ぐらいに意識がハッキリして会話もできた。

ふたりとも俺らの話を何も覚えて居なかった。
ただC男に関しては「なんか悪い事、嘘つこうとしたかもしれない」と謝っていた。



138: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)11:44:11 ID:eGz
俺らは救助隊にあったことを話したが「ミハケ様」なんて誰も聞いたことがないし、
そもそもあそこら辺で遭難する人も俺らが初めてぐらいだったらしい。
同時に俺らが見たという地蔵地帯も聞いたことがないと言う。

雨に関しては、そんな長時間も降っていなかったと言っていた。
夕方頃に所で降ったが、どこも夜中までそれも俺らが言うほど強く降るのは考えられないらしい。

そして俺らが見た物の正体に関しては「もしも雨が本当なら」と言われた後、
雨が降ったことで落石でも発生していたんじゃないかと言われた。
大きな岩の話のあと、無数の人が転がって来た話を聞いてそう判断したらしい。

その後は、暫くの間、精神病院に連れて行かれた。
山岳姫や俺らのグループは、一番長く入院していたと思う、一ヶ月ぐらい。

その間に山岳部女子たちの両親たち(前に書いたが金持ち)に俺らが変なモノでも飲ませたのではないかと怒られた。
もちろん山岳部全員がそれはないと訴えたが、怪しいの一点張りで本当にもう少しで訴えられそうだった。
もっとも訴えられても勝ち目はないと当時でも思っていたけど。

そこに一番権力がありそうな山岳姫の父親が「娘たちの話を信じましょう」と言ってくれて事は済んだ。

テレビ沙汰に関しては大学や多分山岳部の両親たちが止めたのかと思う。
ただ新聞には少し乗ってしまっていた。小さく遭難と書かれていた。

多分大事にならなかったのは、遭難してもすぐに救出できるような場所だったからかもしれない。
やっぱり両親たちの働きかけもあるかもしれないが。



141: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)12:06:08 ID:eGz
入院中調べたりしたが結局ミハケ様の正体は不明だった。
OBの探偵(笑)に調べてもらったけど「ミハケなんて妖怪も神様も見当たらなかった」と言われた。

不可解な雨などに関しては、大学で友人だったオカルトサークルの推測によると、

雨で体力を減らす、黒い影で体力を減らすなどをして弱らせて食べようとしていたんじゃないか、とのこと。
B子とかもその類の呪術じゃないか。人の塊に関しては今までの犠牲者を利用した罠じゃないかと。
たしかに、そんな感じがして怖かった。

で地蔵様だけど「獣や昆虫の姿をした人が地蔵をやっているなんてアレでしょ?」と言われた。
もしかすれば神や仏(?)か何かになる修行中の物の怪じゃないかと。
か、そういう邪教の跡地が聖域化していただかナンタラ、カンタラ。

どうして底に「ミハケ様」とか「ワガラ」と言うのが住み着いたのか分からないけど、
「ミハケ=身は化=身は化物」 ってのが物語っているんじゃないかと言われゾッとした

ちなみに一応お祓いなどは全員受けているけど、全員何も異常はなかった。
C男やD男、それに山岳姫の両親も「そういったモノは無いように思う」との事だった。



142: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)12:06:23 ID:eGz
一応、怖い話はここまでだ。

以後後日談になる。



145: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)12:32:56 ID:eGz
ちなみに俺らのサークルは解散となった。(後輩がすぐに名前を変えて結成したけど)

とにかくほとんどの非を俺らに押し付けられた形だった。
学校でも「変なもの飲ませた」とか「カッコ付けて厳しいルートを歩いて」とか言われていた。
あと、脱落した三人がかなり妬んでいて噂を広げていた。

ともあれ一年留年した。ちなみに更に言うと就職にも響いた。

山岳姫たちが大学で何度も「ごめんね」と言ってきたが、俺らは「この話はしないでおこう」と
使い方はちがうかもしれないけど、そうやって謝ってもらうのをやめてもらった。

一部の女子部員は山岳部すら辞めさせられ、俺らに接触することすら禁じられたと教えてもらった。

俺らは大学とOBの喫茶店でバイトするだけの日々を過ごすことになる。

今考えると本当に辛い時期に突入してしまったなぁ……と思う。
世間は氷河期が終わりかけみたいなこと言っていたけど、本当にひどかった。色々と。

イジメに近い嫌がらせもあった。
ほとんどが山岳姫たちと関わりがある俺らを妬んでのモノだったけど、
流石に「サツ人未遂」と罵られたのにはショックだった。山岳姫がソイツを思っきりビンタしたんだけど

でもまぁ、ご褒美というか良い事はあった

山岳姫たちが偶然を装って俺らがバイトしていた喫茶店におとずれて、その後もよく来るようになりました。



148: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)12:38:46 ID:eGz
そのうちに、C男とあの日追いかけたと言う女子と交際に発展(Cが告白)。
C男カップルは卒業し数年後で結婚した。

C男はその後取り憑かれたように……じゃなくて普通に山登りが趣味になった。
でも人が多い所や団体での山登りばかりしている。ミハケ様に会うことはないそうだ。

数年前の初詣の時に「山の中で巨大な猿に襲われる初夢を見たwwww」と言っていたが、
誰一人として笑えなかった。

会長は最初は山岳姫とつき合いを始めたけど、会長の女癖の悪さから一年目で捨てられてた

その後、女癖を直し一人に決め、
F美さんとお付き合いを初めて二度の転職後すぐに結婚した。

こっちも両親は複雑だったけど、そこまで激怒している人たちじゃなかったので丸く収まったらしい。
と言うかF美さんがベタ惚れで、助けてくれた事とか俺達の中でリーダーシップを張っていた事を褒め称えていたらしい。

ちなみに俺と同じ会社に勤めている。接客業で持ち前の二面性を生かしているらしい?は?
ちなみに昨日、クレームに訪れていたお得意様に水を出そうとして思っきり水をこぼした上に、すっ転んで頭を叩いてしまったらしい
ちなみに俺は昨日2時までお得意様の家に出向いてました。



155: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)12:51:44 ID:eGz

D男はB子とくっついた。B子のぞっこんだった。
他にも遭難メンバーのほとんどがD男を狙っていたけど、B子にはかなわないと全員後を退いた形になる。
喫茶店でケーキが美味しいと言われたのが嬉しかったらしく、A子さんの薦めもあってパティシエになった。
数年かけてようやく修行も終盤に差し掛かっているらしい。
B子さんはD男の店で一緒に働いている。シュークリームが上手な人です。

俺は……、何故か山岳姫と付き合っている
なんか、なんでだろうね。うん。俺が告白したのだが、何故か付き合えた。
会長から寝とったわけじゃないし、今の仕事している最中に偶然再開して食事した時に告白しました
そのことを告げたら会長は勢いよく自動販売機に突撃して発狂してました。

スレ立てて思い出してアレコレ書いていたけど、マジで不思議だ。
こんな人と俺は釣り合う気がしない……けど頑張ろうとも思える。
ちなみに今年二度、山岳姫のご両親に挨拶しに行っているのだが、家にあげてもらえずにいます。
どうしたらいいでしょうか。

最後に、今話した中で山登りをしているのはC男とF美さんだけです。
D男とB子は旅行先で散歩などはするらしい。時間の都合で滅多に行けないそうだけど。
流石にアレを期に山岳姫も山登りをやめた。
最近は某珍獣ハンターの影響を受けて山登りを再開したいようだけど、やっぱりやらないでいるそうです。

以上で後日談もお終いです。

ここまでの長文乱文でしたが、お読み頂きありがとうございました。
信じる信じないに関してはヤボな話なのですが、とりあえずお地蔵様に罰当たりなことはしないでおきましょう。
山登りも確りと準備してから望んでください。



156: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)12:52:43 ID:eGz
あ、体に変なアザや覚醒(?)したみたいなことは、誰もありませんでした。



159: 名無しさん@おーぷん 2015/06/05(金)13:17:00 ID:DY3

おたくの彼女が言い出しっぺで登山道それて山に入って行ったわけだけど、読み進めていくうちに凄く責任感の強い彼女でなんと言うか男前で良い奥さんになりそう惚れた。本当は山が好きだろうに気の毒や...

色んなものの力を借りて行う呪い(まじない?のろい?)があるだろう?良くも悪くも、かける人によってはおどろおどろしいものになるのだろうな

それから魔界の入り口みたいなところってあるらしいよね。人とも獣とも言えぬ不気味な物体が出るらしい。
そういった場所は日本各所に割りとどこでもあるようだよ。青山霊園のそば、暗い雨の日は危ないときいた
ぽっとわいて消えるのもあるのかもしれんね。
皆還ってこれて良かった。