568 :名無しさん@おーぷん :2015/08/13(木)14:10:41 ID:Kga

実話恐怖体験 ロゴ

実怖「阪神大震災を教えてくれた腹話術人形の友達」

両親は共働きで、いつも一人ぼっちだった俺の唯一の友達は腹話術人形のアイツだった。アイツは人形の癖に気取り屋でキザでおしゃべりな奴だった。そんなアイツが俺を救ってくれるなんて――。 

なんか思い出した、子供のころの妙な友達。

自分、両親共働きで鍵っ子。
とは言っても託児所みたいな所で遊んで帰って、家で一人でいるのは一時間も無い。
んで、その一時間がその『ともだち』との交流の時間。

うちに何故だか有った腹話術用の人形なんだが、
そいつは何故か妙にお洒落で、子供心に美形な15歳ぐらいの顔の人形だった。

どうやら両親が古道具屋で惚れて買ってきたらしいんだが…そいつはすごいお喋りだった。
いっつも和室のタンスの上に置いてあったんだが、
さすがに自立は出来ないらしく、俺が来るとクイっと足を組んで、組んだ上に両手を置く。
超気取り屋。超キザっぽかった。
で、いろんな話をしてくれた。と言ってもいつも彼の体験談。
演じた劇のお話とかそんなん。
(おかげさんで俺は、ろくに本を読まないのに童話とかには超詳しかった)

で、ある日。
何時もどおりに『ともだち』と他愛の無い話をしてたんだ。
そしたら、妙な事を言い始める。

「さて。そろそろ僕たちもお別れだ。○○(俺)にはやらなきゃいけないことがある。遠足の準備をしな。ありったけのお菓子をリュックに詰めて、お布団の近くに置くんだ。大事なものもリュックに入れて、いつでも遊びにいけるようにね。着替えも近くに置いとくといいね。僕?僕も行くよ?でも○○とは違う。うん、ここより面白そうな所だ。うん。きみより面白いよ」

とまあ、こんな意味合いと調子で。

で、俺は当時非常にアレな子供だったから、遠足の言葉に喜んで、リュックにお菓子詰め込みまくったさ。
おかんとかは、また俺の奇行かと思って流してくれたが。

で、その日寝てると、急に両親にリュックと一緒に連れ出された。
俺は寝ぼけてわからなかったけど、地震らしい。
いわゆる阪神大震災。
家は盛大に半壊。

『ともだち』は行方不明。
服の生地すら見つからんかった。

そんなかつての友を思う不可解な話。