海怖小話『伊豆七島、増えているダイバー』他1話
日本に台風が近づいていたその日の深夜、何気なくラジオを聴いていると、おかしなノイズ音が聞こえてくる。この音はもしかして、モールス信号なのか――。
434: 第一話 2003/01/06 23:34
スクーバダイビングが流行っていたころの話。
伊豆七島のとある島に潜りに来た私たち5人は、
4日間の日程でダイビングを楽しむ予定でした。
その二日目の午後です。
インストラクターについていき、フィンをかいていたのですが、
何度目かの残圧チェックの後からNさんの様子がおかしくなりました。
落ち着かないというかなんだか急いでいると言うか。
無事にエキジットし、その夜、飲んで気分がよくなった頃、
海の中でなにがあったのか聞くと
「気がつかなかったのか?」と言われました。
Nさんは後ろを向いて一人一人残圧チェックをしていたそうです。
すると「あれ?5人いる?」・・・
機材をつけていない6人目の女性ダイバーが、
私たちの後ろに漂っているのを発見したのです。
その女性はニヤニヤ笑っていたそうなんですが、
そこは機材なしでこれるような場所ではありません・・・
今でもダイビング中にふっと思い出して恐いおもいをします。
すると「あれ?5人いる?」・・・
機材をつけていない6人目の女性ダイバーが、
私たちの後ろに漂っているのを発見したのです。
その女性はニヤニヤ笑っていたそうなんですが、
そこは機材なしでこれるような場所ではありません・・・
今でもダイビング中にふっと思い出して恐いおもいをします。
415: 第二話 2002/12/30 19:00
私は、東北地方に住む30歳の地方公務員です。
この話は、特別身の毛もよだつとかといったたぐいのものじゃ無いのかもしれませんが、とても不思議な体験でした。
あれは大学受験の秋だったので、もう十数年前の話になりますが、
ちょうど台風が日本に近づいていて、だいぶ天候が荒れていた頃だと記憶しています。
その日は深夜、といっても夜11時を回ったころの時間でした。
何気なくラジオの深夜放送を聴きながら受験勉強をしていました。
すると突然ラジオから信号のような音が聞こえてきました。
モールス信号のような。
そのときは”SOSの信号だったりして”と冗談半分に思いながら、
特別気にも止めなかったのですが、
11時40分になったとき、突然、部屋の電気が消えたのです。
おそらく10秒位のものだったと思います。
ただ何故この時間を正確に覚えているかというと、
その暗闇の中で私は時計を見ているからです。
その時計は、デジタル式の目覚まし時計で、
コンセントから電源を取るタイプのものでした。
確かラジオも付いたままだったと思います。
つまり、停電では無いのに部屋の明りだけが消えたことになります。
その後しばらくして、部屋の電気が復活して、
「今のは何だったのだろう?どこか接触でも悪いのかな。」
などと思いつつ、また受験勉強を始めました。
しかし、そのとき気付いたのです。
さっきまで、いや正確には部屋の電気が突然消える前まで、
ラジオから聞こえていた、モールス信号のようなものが聞こえなくなったんです。
「まさか!単なる偶然だよな。」と自分に言い聞かせて、
その日は深夜1時ごろまで勉強して寝ました。
次の日の朝、テレビでニュースを見て愕然としました。
昨夜11時40分頃、三陸海岸沖で漁船が難破したというのです。
その後のニュースで、乗組員は全員亡くなったということでした。
一体この出来事は何だったのでしょうか。
あの信号は、乗組員たちの最後のメッセージだったのかもしれません。
今でも忘れられない不思議な体験です。
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