笑える霊体験

笑える霊体験『呪怨で除霊』『霊より怖いマリリンマンソンな姉』『落ち武者』『湯気タヌキ』

『呪怨で除霊』

一人暮らしし始めた頃に夜中に家鳴りしたと思ったら金縛りにあって
その時壁際向いて寝てたんだけど背中で女のうなり声みたいなのが聞こえてきて
ガクブルしながら気づいたら朝だった。

最初は夢だと思ってたんだけど
それから毎晩金縛りにあって恐怖がピークに達した時に毎回女のうなり声が聞こえてきてた。

何週間もそんな状況で目の下に隈は出来るわ仕事中に睡眠不足で事故りそうになるわでもう限界だった。
家に帰りたくなくて遅くまで一人で店で酒飲んでる時に
なんか泣けてきて酒の影響もあってそれ以上に腹が立ってきた。

そのままの勢いでドンホで黒髪の長いカツラと白いワンピースみたいな服と赤い絵の具買って
家の前でヤケクソに着替えて呪怨のカヤコみたいな感じにして、玄関のドア開けて
電気も付けないで四つんばいで

「あ、あ、あああああ」

みたいにかやこの真似しながら部屋に入っていったら

「ぎゃああああああああ」

って女の声が聞こえてそれ以来部屋で怖い体験しなくなった

でもそれから住んでるマンションで血まみれの女が出るって噂が広まってまたガクブルしてる


『霊より怖いマリリンマンソンな姉』

金縛り初体験の時の出来事。

両親は結婚記念日の旅行に行ってて、姉も部屋に引っ込んでた為、一人でテレビの心霊特番を見ていた俺。

「こういうものを見ていたら呼んでしまいますよ」
みたいなテロップに若干ビクビクしながら布団に入ったんだ。

来世の人生設計を考えることで恐怖を打ち消しつつ眠りに落ちるかという瞬間、金縛った。
指も爪先も動かない。なのに目は動く。見ちゃいけないと思いながらも視線を部屋中に走らせてしまう。
何も見えなかったが、確実に金縛りに合っている。何かいる。
やばいやばいやばいどうしよう!!みたいなことを考え始めた時だ。

隣の部屋から

「だんじょうびおめでどぉぉおう!!!!!!」

と絶叫が聞こえてきた。
隣は姉の部屋だ。
何でもその日は姉が夢中になっているバンドのボーカルの誕生日だったらしく、熱心なファンだった姉は日付が変わった瞬間におめでとうを叫んだらしい。

ハッピーバースデーをやたら野太い声で狂ったように歌う姉。
途中からそのバンドの歌に変わってるし、何かめっちゃ叫んでるしで幽霊と張り合うくらい姉も怖かった。

心霊現象と姉の過激な誕生祝いとのダブルパンチでもう泣きそうだった。
弾けるように部屋のドアが開き、マリリンマンソンみたいな化粧をした金髪頭になった姉が乱入して来た。

爆音でCDを掛けながらサイ!サイ!と拳を上げ頭を振り乱す姉。

もういい加減金縛りが解けても良さそうな展開なのに、よっぽど念が込められていたのか全く解けなかった。
親の不在をいい事にますますヒートアップする姉。
しつこすぎる金縛り。
二重の恐怖に少し泣いた。

姉が口に含んだ血糊を吐き出して狂ったように笑いながら床を這いずり回るパフォーマンスをした頃、ようやく金縛りは解けてくれた。本当に安心した。
しかし姉の方は収拾が付かなかった。
俺は諦めて姉に付き合うことにした。

もう今では毎年の恒例行事みたいになってるし、昨年からは他のメンバーの誕生日でもやるようになりましたorz
幽霊より生身の人間の方が恐ろしいのだということを身を持って知りました。


『落ち武者』

父の葬儀の時の思い出。
ただ、私は通夜の間親戚と呑みまくり、お線香の見張り番をしながら家族全員で10時間近く呑みまくり、
とベロンベロン状態だったので、霊体験じゃなくて幻覚だったかもしれません。

葬儀の日、仏前の不祝儀袋が溜まってくると山が崩れたりして見苦しいので、
ある程度溜まってくると私はサッと取っては座布団の下に入れていた。
で、さらに数時間おきに会計のために席を立って、
お金を金庫に入れて、「誰々さんが~~円」とか帳面につけていた。
それを何度か繰り返し、また席を立って戻ってみると、ちょっと変な人がいた。

参列者に家族が挨拶してる後ろで、糞真面目な顔で落ち武者コスプレの人が座っている…。

「???」

と思って普通に無視してたんだけど、なんかすごく悲しそうな顔で座ってるので、思わずチラチラと見てしまった。
冷静に考えればおかしいんだけど、周りの人も静かにしてるし、父は割とそういうおふざけが好きだったから、
父の友人かな、と思っていた。
で、ぼーっとしてたらその人はいつの間にかいなくなってた。

葬儀が終わって、みんなにその人のことを訊いてみたら、誰も見てないと言う。
ただひとり親戚の伯父さんだけが、「それはきっと先祖の霊だ!」と興奮しまくり。

伯父さんは趣味で郷土史を研究してて、うちの先祖は戦国時代に合戦から逃げてきて農民になった元武士だ、と主張している。
「うちの先祖は落人だったんだから、~~(私)ちゃんの見たのはご先祖の霊だ!」
と言うんだけど、それもおかしな話だと思うんだよね。
子孫の葬式に悲しそうな顔で出てくる落ち武者って一体…。

よくよく思い返せば、あの落ち武者ちゃんと正座してたし…。
未だに意味が分かりません。


『湯気タヌキ』

笑えると言うか、俺は萌えた話。

俺は温泉が好きで、よく遠出してまで行っている。
ある満月の夜、オープンしてすぐの日帰り温泉に行き、露天風呂に浸かっていた。
満月を頂に仰ぎ「あ゛ぁぁぁ~」とか言っていたら、周囲に漂う湯気が何やら渦巻き一点に集中していく。
最初は俺が超音波でも発していたのかと思っていたが、集まる湯気が何かの形になっていく。

その形はタヌキ。

まるで白いタヌキが温泉に入って寛いでいるように、湯気で出来たタヌキはフワフワと漂っている。
不思議だが可愛いその現象をまじまじと眺めていると、湯気タヌキは俺に気付き、本物のタヌキが逃げるように走って消えてしまった。

その温泉が出来た土地にどんな謂れがあるかは知らないが、湯気タヌキが温泉を気に入っているんだから問題無いだろうと思う。