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初めて長文を書き込むので読みにくかったら、すみません。

うちの一族(同じ名字ばかりの集落で凄い田舎に住んでます)には、たまに冥婚?のようなものを行ってくれ、という話が持ち込まれます。

氏んだ方同士の結婚、もしくは結婚をする約束したものの片方が亡くなってしまったが結婚式をあげてくれ(こっちの方が多かったです)というやつでした。
普通、冥婚というとお寺で形式的にあげるものみたいですが(詳しくなくてすみません)、うちは代理花嫁と花婿を使って実際に式を行います。

代理花嫁は、大抵本家か本家に近い分家の跡取り以外の娘から選ばれるらしいです。
お相手の代理花婿は、親戚の若い男の子だったり、村の若者だったりしました。
勿論、相手だけ本物の時もありました。

私が代理で行ったのは殆ど仏前式?でした。お坊さんが、依頼された方たちの名前を呼ぶ以外は普通の結婚式と同じような感じです。
三三九度をして、杯でお酒を飲んでいる時に、花婿さん(花嫁さんは事故で亡くなられた)をちらっと見たら静かに泣きながら飲んでいたのが印象に残っています。

また教会はないので人前式風ですが、依頼されればウェディングドレスでもやりました。
いつもはそれ用の衣装でしたが、このドレスは持ち込みでした。

何故か予行の時は、近しい親戚のおじさんなんかが代わりに婿役をやってました。
式が終わると、花婿とはなんの関係もなくなります。式について話すことも殆どしません。

特筆すべきことがなくて申し訳ありませんが、こんな感じです。
私は霊感がないので式の最中に特になにかを感じたこともないです…。

ただ毎回感じたことは、私の役目は花嫁さんを満足させることなんだ、ということでした。





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1番印象に残っているのは、お色直しのドレスが持ち込まれて、写真撮影をしてくれ、という依頼です。
なんでもドレスを取っておいたら、なにか障りがあったとか…。
亡くなられた花嫁さんが、ずっとそのドレスを着て写真を撮るのを楽しみにしていたんだそうです。
花婿さんは生きているそうですが来ておらず、花嫁さんの親族のご依頼でした。
代理花婿は村で見たことがない、日に焼けた結構かっこいい男の子でしたが、私より年下(10代?)っぽくて驚いたのを覚えています。

私が着たドレスは人魚っぽい感じのデザインでした。
依頼者の方がちゃんとプロのカメラマンを呼んで撮影しましたが、祖父の指示でフィルムは抜いて撮影しました。

カメラマンさんの指示で(これも花嫁さんの夢だったんだとか)、ちょっとですが秋口の季節に、その格好で相手の男の子と池に入ってキャッキャした感じを撮影したので、寒かったです…。

なんでこんなことしてるんだろう、と思いましたが、依頼主の方たちにとても感謝されたので、良いことをしたのだなぁ、と思いました。

今は私はもう集落を出ているし(出ても依頼のために呼び戻されることもあります)、代理花嫁の役は回ってきませんが、ポツポツと依頼は来ていると風の噂に聞きます。





引用: 誰か最近不思議な体験した人いる?