笑える霊体験

笑える霊体験「除霊に詳しい人」「しずかちゃん」「ベルバラ風の貴族霊」「旦那と私の生命線」

「除霊に詳しい人」

10年ほど前、俺の後輩がいわくつきの部屋に住んでいた。三角関係のもつれだかなんだかで 
サツ人事件のあった部屋らしい。安いから、というで住んでいたそうだが。 
霊現象の内容は忘れたが、確かラップ音とか影?顔?を見たとか気持ちの悪い話だった。 

で、後輩も気持ち悪いんで、「除霊に詳しい」人に頼んで来てもらった。 
その詳しい人は、部屋を一瞥するととって返し、やがてバルサンを手に現れた。 
詳しい人曰く、

「生命力の強い害虫にも効く。だからもともと氏んでるやつにも効く。」 

バルサン焚いた後は、怪異現象は一切なくなったそうだ。 


「しずかちゃん」

八年程前のある日、妹の部屋に用事があって二階の廊下を歩いていると、
階段を降りていく背中が見えた。

髪と白いスカートの端しか見えなかったが、
妹が下に降りて行ったかと思いながら部屋のドアを開けると、妹がテレビを見ていた。 
うちは母子家庭の三人家族で、母親は仕事中。 

狐につままれるってこんな感じか、と思いながら妹に下に降りて行った子の話をすると
「あー、たまに見るよ。」とあっけらかんと言う。 
怖がりな妹がアッサリ言うので、悪いものじゃないんだろうと思ったが、
もしかしたらテレビを見ている妹の方がお化け?または狐?と思ったら怖くなって、
自室に走って逃げて母親が帰ってくるまでこもっていた。
帰ってきた母親には笑われた。 

それから何回か同じことが自分と妹にあった。 
ドアを開けると、あれ?って言って、ああまたかーといった感じ。 
母親だけは一度も遭遇しなかったが
「時々悪戯するくらいで、静かでとってもいい子だ。」と妙に可愛?がり、
「静かだから、しずかちゃん」と呼ぶので名前までついた。 

しずかちゃん遭遇から一年程経った夏、母親の故郷に帰省することになり、一週間程家を空けた。 
帰ってくるとしずかちゃんはいなかった。 

何故だか家のドアを開けた瞬間、ああ、いなくなっちゃったなと思った。
妹も思ったらしい。 
少し寂しくて、妹の部屋を開ける前に階段を確認してしまうが、
それから一度もスカートの端と小さな背中を見ていない。


「ベルバラ風の貴族霊」

これはアパートで一人暮らしをしている妹に聞いた話です。

妹は睡眠障害を患っていて、いつも病院で処方された眠剤を飲んでいました。
でも、大学が忙しくてなかなか病院に行く事が出来ずにいたらしく、
眠剤が無いとうまく眠れないのに、わかっていながら眠剤を切らしてしまったそうです。

それでも明日も大学があるからと、無理にでも眠ろうとベットに入ってがんばってはみたものの、
やっぱり全然眠れず途方にくれていた時のこと、いきなり人生ではじめての金縛りにあったのです。
あまりに突然で、何が起こったか最初はわからなくてパニックになっていたら、
今度は、耳元で誰かがボソボソ何か言って来たそうなんです。でも何を言っているのか聞き取れない。
断片的に接続詞っぽいのは聞こえてくるけど、やっぱり肝心な部分が聞こえない。

気づくと妹を囲むように、ベットのまわりをたくさんのベルバラ風の貴族たちが!

貴族はかわるがわる妹に近づいて来て、耳元で何かを話しかけて来る。
妹「なんで貴族が私の部屋に!?」
結局、貴族が何を話しかけて来たのかは最後までわからずじまいで、気がついた時には朝だったとのこと。

それから久しぶりに行った妹の部屋は、すっかりロココ調になっていました。
「なんでよりによって貴族が私なんかに、なんの話があったのかどうしても気になる」と言って、
貴族がまた現れるようにと、貴族に気を使って部屋をできるかぎりおフランスに近づけてみたと言うのです。

そんな妹の心遣いも虚しく、あれから貴族は現れてはくれません。
でも、妹はまったく諦めておらず、部屋だけがどんどん貴族チックになっていきます。
このままいくと、妹がコルセットにまで手を出しそうで恐ろしいです。
そんな私は、来たる3月の妹の誕生日に、ティーセットをプレゼントするつもりです。


「旦那と私の生命線」

夫は結婚前、「生命線が短いから早死にする」が口癖のひとでした。

私は「じゃあ私はものすごく長いから、私のを分けたらちょうど良くなるね」と答え、縁結びの神様に結婚をお願いしつつ、夫を長生きさせてほしいとお願いしました。

結果、夫の生命線は伸び、私は薄く、短くなりました。

が、最近また、私の生命線は、はっきりくっきり濃くなり、夫も長いまま保たれています。
長生きしていいらしいので、お天道様に恥じない生き方をしようと思っています。
神様、お願い聞いて下さってありがとうございます。
これからも頑張って生きていきます。