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長文になるがすまん。

この前って言っても夏なんやが、趣味が廃墟巡りの俺は1人で地元の有名な廃旅館に行ったんや。
夜の廃墟に行くのが好きやったから18時くらいに家を出た。
地元とはいえ、廃墟までは車で30分くらいかかったかな。

んで到着したんやがめちゃくちゃ暗い
今まで行った廃墟の中で1位2位を争う暗さやった。
とりあえず湧き出る興奮を抑えながらビデオカメラを回しつつ中に入った。





中はすごいカビ臭かったのを覚えてる。
1階には受付があったんやが、書類がそのまま置かれてたり
受付で働いてた人の物と思われる家族写真があった。
適当に1階を見て回って、受付の横にある階段から2階に上がった。
1階にあった案内板曰く2階は客室があるらしい。

んで2階についたんやが、さっきまでカビ臭かったのに今度はやけに獣臭い。
野生の動物でも住み着いてるんやろか。
そう思いながら暗い一本道を進む。
1部屋、また1部屋と部屋の前を通過していく。どんどん獣臭さは増していく。これやばいやつじゃないんかとか、内心怯えながら進んでたら

ちょうど突き当たりに到着した。
目の前には、客室のドア。
「2階はこれで終わりか」と思ってたら
ドスン!バリバリバリ! そのドアの向こう側から明らかにヤバイ音がした。
さすがにビビった俺は後ろへ2歩3歩下がる。
明らかに何かが目の前のドアの向こうにいる。
そして確実なものは、そのドアの向こうにいる「ソレ」が決して自分に対して友好的な何かではないこと。
でも人間って不思議なもんで、そういう時に恐怖心と同時に湧いてくるのが好奇心。
動けないんだよ「ソレ」が気になって。

そしたら
ドン!ガン! なにかがドアに体当たりしてる。
「ソレ」がこちら側に出ようとしている。
逃げたくても「ソレ」が気になって逃げれない。
そうこうしてる間にドアをぶち破って出てきたのは血まみれの動物の亡骸と金属バットを片手に凄まじい形相でこっちを睨みつけてる髭を生やした爺さん。

「ソレ」は霊的な何かではなくマジモンのヤバい人やった。

好奇心から解放された俺は一目散に逃げ始めたが
背後から奇声を上げながら爺さんが追っかけてきてるのが分かった。
振り切るために曲がり角のところにある部屋に逃げ込んで、ベッドの下に隠れた。
んでスマホで助けを呼ぼうとしたら爺さんが部屋に入って来やがった。
もう目はある程度慣れてるから、ベッドからは辛うじて爺さんの足とバットの一部が見えた。
どうする、見つかればころされる。このままじゃバレる。

俺が選んだのは「特攻策」やった。
ベッドから勢いよく飛び出して爺さんに体当たりした。
爺さんがよろけて倒れたのを見届けてから部屋を出て一気に階段を駆け下りた。
まだ2階からは怒声とも奇声とも取れない声が聞こえてくるが、とにかく旅館を飛び出した。
んで車に飛びのってエンジンをかけ、直様走り出した。
そったら、後ろからガツーン!て音がしたもんだから振り向いたらあの爺さん、バットをリアガラス目掛けて投げつけてやがった。

そのあとなんとか市街地まで逃げ延びたんやが、
これ以降は廃墟には行く気にならんし精神病院に通うのも怖い

肝試しとか廃墟巡りをする時はよー気をつけるんやで





引用: この前、廃旅館に行ったんやが