洒落怖 おうまがロゴ

「お前は今憑かれてる、反応するな!そいつの存在が強くなる」洒落にならない怖い話

友人と食事をした帰り道、少し薄気味悪い路地裏を三人で歩いていると、ふと、ソファーがゴミ捨て場に捨てられていることに気が付いた。なぜだか分からないが、急にそのソファーを蹴り出した友人たちに釣られるようにして、霊に好かれやすいというYもそのソファーを蹴ってしまったのだが――

俺の友人、仮にYとするが、Yは霊感のある人から見ると霊に好かれやすい体質、なんだそうだ。

そのYが、4月頃友人たちと夜メシを食いに行った。
よくあるセルフうどんを食って、いつものように近道をして帰ろうとしたんだ。
その近道というのが、そのうどん屋の後ろにある路地裏みたいなところで、
色んなゴミ、粗大ゴミやら生ゴミやらが散乱してるんだな。

そこは、昼間とおっても何ら変わりのないただの道のように感じるんだけど、
夜は少し薄気味悪いような印象を受ける、正直あんまり近づきたくない道なんだ。
でもYの家に帰ろうとすると、その道を使うのが一番速いから、よくそこを利用していたらしい。
そのときは友人も一緒だったし、特に恐怖心もなかったそうだ。

「あそこの店、意外とうまかったなー」みたいな話をしながらその道を歩いていたY達は、
ふと横にあった粗大ゴミのソファーを友人の一人…仮にAとしよう、そのAが、蹴り始めた。
夜のテンションで、意味はないんだが、そのソファー3人でを蹴ったんだ。

それに続いて、もう一人の友人、こっちはBとしよう、そいつも蹴り始めた。
Yのほうは、他2人が蹴り始めたので、一緒になって蹴った、と言っていた。
すぐに興味を失って蹴るのをやめたそうだが。

その後、他2人もすぐに蹴るのに飽きて、帰り道を歩いていた。
すると、そこにYの母から電話がかかってきた。
「早く帰ってきなさい」みたいな内容の電話で、すぐに切ったYは、また歩く足を速めた。
すると、左から突然、

「誰から?」

と声が聞こえた。
Yは友人だと思い、「親から。早く帰ってこいってさw」と返した。
しかし、ふと気づいたんだ。 Yは友人2人と帰っていたが、

その友人2人は右隣にいるんだ。


左から声が聞こえるはずがないんだな。
すぐにおかしいと気づいたYは、友人Bに話題をふった。

「なあ、こういうとこって、結構でそうだよな?意外と近くにいたりしてなw」

実はこのBは霊感が強く、Yの体質についても知っていた。
というか、好かれやすい体質だ、と指摘した本人だった。
Bはすぐに、「いねえよ。気にすんなよw」と軽い調子で返してきた。
Yはそれで安心して、気のせいだったんだ、と思うことにしたんだそうだ。
だけど、その路地をぬけた手前くらいの所で、Yは喉が渇いたから、
とジュースを買いにいこうとした時、突然Bが耳打ちしてきた。


「お前、今憑かれてる、ああいう場面で聞くな。語りかけても反応しちゃ駄目だぞ。そいつの存在が強くなるからな。」


その一言で、Yの体が凍りついた。

本人曰く、泣きそうだったそうだ。
Yはとにかく焦って、早足に自販機まで行った。
ジュースを買って、出てきた缶を取ろうとした、その時、


「何選んだの?」


屈んだまさにその瞬間だったそうだ。
Yは内心震えながらも、Bの言ったとおり反応せず、無視した。
ジュースを取って、何事もなかったように後ろを振り向いたが、やっぱり誰もいなかったそうだ。
すぐにBにこの事を小声で話すと

「お前、親に来てもらえ。連絡はメールでしろよ。声を聞かれたら乗り込んでくるかもしれん。」

YはすぐにBの言うとおりに、親に連絡した
…頼むからすぐにきてお願い、という内容に、親もどうしたんだとすぐに来てくれたそうだ。

Yは親の車にサッと乗って、B達は「じゃあな」と一言言い、こっちを見ていた。
すぐにドアを閉めた…その瞬間、ふぅ…と一息ついた…ようやく安心できる、と心のそこから親に感謝した。
その時、Bからメールから届いた。

「ヤバイ、車に一緒に乗り込んじまった。お前今夜気をつけろ。窓とか鏡を見るなよ。窓もカーテンもしめて、すぐに寝ろよ。
できるだけ誰かに一緒にいてもらったほうがいいけど、それが駄目なら電気つけとけ」

この時のYは、もう本気で泣きそうだった。
あとで親に聞いたら、泣きそうで事情を聞くの良くないと思った、と言われたそうだ。

車の中は、嫌にひんやりとして、あんまりいい雰囲気じゃないことがYにもわかった。
俯きながら、早く家についてくれ!と心の底から祈っていた。
やがて家につき、車のドアを開けようとした時、車の窓に、一瞬だが女の顔を見た気がした。
もう心臓はドキドキしっぱなしで、冷静を装いつつも、早足をとめることはできなかった。

それからは自分の部屋にいって、風呂にはいってすぐに寝たそうだ。
別に何事もなかったそうだ。
Yは始終びびっていたようだが、翌日学校に登校したときにはもう消えたんだ、と安心していたそうだ。

教室で、「昨日はすまんかったな」とBに言うと
「何もなかったか?…まあまだ憑いてるんだがな」
Yは、え!?とまたびびりだしたが「ごめん嘘嘘w流石にもういないよw」というBに、昨日何故憑かれたのか、と聞いた。

「多分だけど、昨日帰り道に、ソファーあったろ?あれを蹴ったときについたんじゃないかと思うんだ。俺最初、Aが蹴るまでソファがあったことなんて気づかなかったんだ。
最初憑かれてたのは多分Aだったんだろうな。でも、最後にお前が蹴っただろ?お前の体質に惹かれたんじゃないかなあ」

なるほど…確かに、Aが蹴り始めるまで、ソファの存在なんて気づかなかった、と納得したらしい。
では、何故取れたのか?と聞くと、
「うーん…お前が家にいる間の時間で、気に食わないことでもあったんじゃないか?」
その一言で、思い当たることが一つあったそうだ。

霊というのは、不浄なもの…まあそういう行為を嫌う傾向がある、というのを聞いたことがある。
Bも、「恐らくそれだろうなw」
と笑っていた。Yは笑い事じゃなかったらしいが。