海の怖い話

子供のころ、夏になると母方の伯母の家に遊びに行っていたという報告者。そこで毎年夜中に会う不思議なおじさんがいたのだが、そのおじさんの話をしても誰も信じてくれない事で、報告者はそのおじさんを無視することにしたそうなのですが――(おうまがタイムズ)



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これは幼稚園から小学校低学年に上がるまでの話。

夏になると毎年、母方の伯母の家に遊びにいきました。
昼は海で遊び、夜は子供達だけ同じ部屋に集められて蚊帳の中で寝る、なんとも言えない贅沢。
田舎なので施錠観念もなく、中庭に面した窓も開け放ったままで、寝転がると月も見えました。

さて、この頃の私は、夏になると毎年会うおじさんがいました。
その人は昼間の家にはいなくて、夜中(子供だから時間は分かりませんでしたが、大人が寝静まった時間です)になると、
カランコロンと下駄の音を鳴らして中庭に現れるんです。
縁側に座ってしばらくこちらを見てるんですが、気がつくといなくなってる。
そもそも子供だから、あんまり人がいようがいまいが、眠気が勝ってその人と話そうという気にもならなかった。

でも、小学生になってさすがに気になって、その人に話しかけたんです。
おじさんは誰なのって。
何か言ったとは思うんですが、今となっては何を言われたのか覚えてません。
母や叔母に話しても寝ぼけたんだと言われておしまいだったし、何より二人から「変なことを言っているな」というオーラを感じて、私もすぐ聞くのを止めてしまいました。
だからそれから下駄の音を聞いても目をつむったままにしてたし、おじさんがいるのを分かってましたが無視をして寝続けました。

その次の夏が来て、私たちはまた叔母の家に泊まりに行き、また海で遊びました。
そこで従兄弟と、私たち姉妹とで、ちょっとしたいさかいが起こりました。
怒った従兄弟たちは姉の持っていた浮き輪を無理やり取り上げて、ぽいっと遠くに投げてしまいました。

私たちがいたところは子供の足が届く浅瀬だったのですが、ちょっと進むと大人でも足が付かないほど深くなっていたようで、浮き輪を取りに向かった姉が、急に、海のなかに引っ張られるように消えました。
そしてバシャバシャ音をたてて「助けて!」と溺れているんです。

パニックになった私は、慌ててつけていた浮き輪を放り投げて、姉に捕まるように言いました。
ですが所詮、小学生の力です。
投げた浮き輪は姉まで届かず、かといって私のそばにもなく、結果として私まで溺れてしまいました。
従兄弟たちは姉の浮き輪を放り投げた後に岸に向かってしまったため、近くにはいません。
姉より先に私が海のなかに沈みました。



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ダメだ、浮かびあがることもできない。
口のなかに水が入って息が出来なくなった時です。
足の裏を、ぐわっと何かが押してきたんです。

それは私の顔を海面まで押し上げて、今度は何者かの力で水着が上に引っ張られました。
娘が溺れているのに気づいて、父が助けに来てくれたのです。
姉も母に助けられており、私たちは間一髪で命拾いをしました。

少しして落ち着いてから、さっき起こった事を話したら、姉も同じ体験をしており、上に向かって何かに押し上げられたと感じたそうです。
それがあったから両親も子供の位置が確認出来たそうで、泳いで近づいてる最中は子供の位置が分からなくなり、心底怖い思いをしたとのことでした。

その日の夜、伯母と母が私の元に一枚の写真を見せてきました。
古い写真には海を背景に男の人が格好をつけている姿で写っており、間違いなく、私が真夜中に見るあのおじさんでした。

二人は、この人は私のおじいちゃんだと話してくれました。
母たちの父は、まだ働き盛りの頃にガンで命を落としていること。
泳ぎが上手でカッパなんてあだ名で呼ばれてたこと。
子供が大好きで、近所の知らない子供まで面倒をみてしまうほどのお人好しであったこと。
そして命日がいつもこの家を訪れる頃だということを聞きました。

「私から話を聞いたときに、特徴から亡くなった父じゃないかと思ったが、怖がるかと思って話せなかった」と二人は言いました。
「今日の事もお父さんが助けてくれたんじゃないかと思って、お前に写真を見せたのよ」とも。
私はようやくこのおじさんの話をして良いのだと分かり、声を大にして言いました。
「この人なら、昨日もそこに座っていたよ!」

母も伯母も「そうなのね」と言いながら、泣いていました。
下駄の音がするのも当然で、祖父はいつも下駄を履いて生活をしていたそうです。

海で溺れた夏以来、縁側に祖父が現れることはありませんでした。
でも今でもふと、誰もいない玄関で下駄の音が聞こえる気がして、そんな時は「見守ってくれてありがとう」と心で呟くようにしてます。



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自分で書いてても作り話みたいで恐縮なんですが、全部実話です。
先祖がお寺をやってたことが関係するのか、
霊体験だけは事欠かない幼少期を過ごしてきました。



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優しいおじいちゃんだね。心が温かくなったよ


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オカルト板にあった心霊ちょっといい話みたい。
いいお爺ちゃんだね。
なんで気付くと姿消すのかね?
やっぱり怖いか。


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>>74
たぶん、相手が「霊」だと気づくと見えなくなっちゃうんだと思います
登校時間にすれ違うおばさんから挨拶されてたんですが、
家に帰ってからその話をしたら、その人はとっくに亡くなってたなんてこともあり、
やはりそれきり現れることがありませんでした



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毎年孫に会いに来ていたんだね、子供好きのお祖父さんだから。ええ話や。


引用元: http://ikura.2ch.sc/test/read.cgi/ms/1479942239