937
昔、同い年くらいの幽霊(おそらく)に出会った話。

俺の家は昔から、夏休みにはばあちゃん家を訪ねることになっていた。
そのときも、俺、姉、両親でばあちゃん家に滞在していた。
そんなある日ひいじいちゃんの墓参りに行くことになった。

墓に着いて、みんなは墓の掃除を始めた。が、小さかった俺は退屈だった。
俺は墓地の探検に出かけることにした。
田舎の墓地は広く、俺は家族からかなり離れた所まで行った。
墓地には俺たち家族以外は誰もいないようだった。
菊の花や周囲の竹林を眺めながら歩き、
田舎は空気がおいしいなあーとか子どもながらに考えてた。

そして墓地の隅まで行ったとき、俺は不思議なものを発見した。
直径4メートルくらいの円形のスペースがあり、
そこだけ、緑色のフェンスでぐるっと囲まれているのだった。
フェンスの内側は、竹や木がぼうぼうに生えており、ぐちゃぐちゃに荒れていた。
分かるかな?墓地の他の部分は普通の土なのに、
その円形の部分だけ、木がぼさぼさ生えてるんだ。




938
近づいてみると、フェンスの穴の一つから、
やけに太い枝が一本突き出ているのを発見した。その茶色い枝に触ってみると、
妙にやわらかくてねちょっとしてた。
何だろう?と思ってると、後ろから声がした。

「それは、腐った腕だよ」

振り返ると、そこにいたのは当時の俺と同い年くらいの男だった。
そして、右目が、潰れてた。
どう表現すればいいのか分からないが、なんだか右目が白くて周辺が赤く爛れてた。
結構びびったが、どう接すればいいか分からなかったので
普通にしゃべったような気がする。

「腕?」
「そう。それは腕だよ。死体の一部が突き出ているんだよ」

ちょっとぞくっとした。

「これ氏体なん?」「そう」
「じゃーこれって墓なのか?」「墓だよ」
「突き出てたらだめじゃん、埋めないとだめじゃん」「なんで?」

そんな会話をしたような。
当時の俺は、死人は墓に埋めて線香上げると天国に行くことができる、と認識していた。

「こんなんじゃ天国行けないよ!」
「天国じゃあないよ。彼は今地獄にいるんだよ。とても苦しんでるよ」

俺はだんだん怖くなって、家族の元に戻った。
一応ばあちゃんに聞いてみたが、このへんにそんな子どもが住んでいる家なんてないそうな。
というか、ばあちゃん家周辺はまじで家すらほとんどないド田舎なので
俺もそう思ってたけど。
彼はやはり幽霊だったのだろうか。右目の爛れた、墓場の幽霊。

ちなみにそれからは何も起きてない。 


940
>>938
その円形のスペースの詳細もきいて書いてくれないと


962
>>938
何故か渚カヲルで再生された


951
>>937です。
レス貰ったので、ちょっと墓のこと調べてみました。
と言ってもばあちゃんに電話して聞いてみただけなんだけど。

かなり、興味深いことが分かりました。

と、その前に。
円形のスペースっていうのをもう少し詳しく話します。説明が下手ですんません。
「そこ」以外は、古いけど普通の墓地に見えるんです。
足元は土で、竹林に囲まれた自然豊かな田舎の墓地です。
その隅に、緑のフェンスでぐるっと覆われた不思議なスペースがあるんです。

ただ、「そこ」について、さっき書き忘れてたことがありました。
結構致命的な書き忘れですが。
「そこ」は、穴でした。

直径4メートルの円から、落とし穴みたいに深く穴が掘られてるみたいでした。
その穴の底から、木や竹がめちゃくちゃ生えていて、
その木の上部が地面まで到達し、その広がった枝の部分がフェンスで覆われているという感じです。
分かるかな。フェンスの間から中を覗こうとしても、木に視界を塞がれて地面の底が見えないんです。
腐った腕はそんな隙間から突き出ていたのをたまたま発見したのでした。


952
で、本題。

そこ、大昔の牢獄だったらしいです。
罪人を、その登ってこれないような穴に落として、死ぬまで放置。
牢獄っていうか処刑に近いか?とにかくそういうものだったらしい。
もちろん今は使われておらず何の痕跡もない。しかし昔にはそんなこともあったと。おそろしや

ばあちゃんも詳しく知ってるわけではないようだけど。たぶんまとめるとそんな話でした。
「あそこは大昔悪いことをした人が入れられていた場所なのよ」的なことを言っていたので。

俺は、少ししっくりきました。

あの時会ったあの子は、彼は地獄に行ったと言ってたから。
地獄ということはつまり、あの腕の持ち主は、生前、悪事を犯した罪人だったんだろう。
犯罪者だとすれば、まあ死後は地獄に行くだろうな。
しかし今も苦しんでいるというのはかなり怖い。

ふう。今度こそおしまいです。


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その様な場所に墓地として埋葬されている他の人たちは大丈夫なんだろうか?
悪い影響を受けていそう





引用: ほんのりと怖い話スレ その68