時空のゆがみ

『集落から聞こえる祭囃子とループするトンネル』

人気もないのに近くで祭囃子の音が聞こえる時、もしその誘いにのってしまったら異形の祭りに招かれ元の世界に戻れなくなることがあると言われているが―― 

ループするトンネルはマジで怖かった

友達3人で、休みを利用して車で温泉宿に向かう山道を走ってた夕方
車の持主が運転、も一人は後部座席、俺が地図を見ていた
地図上では一本道でトンネルを3つ通らないといけなくて
2つ目まで何の疑問もなく通り過ぎた

そして 「あとトンネル一つ」とか俺が言ったら
トンネルの手前に集落が左手に見えて、広場で祭が行われてるように見えた
今思えば窓も閉め切ってたのに太鼓や人の声が異様な位大きく聞こえた気がするが
俺たちは、温泉宿はもう近いし祭に寄ってみることにした


集落に向かう道は細く、田んぼの中を通って、すぐさま祭が行われてた広場についた
すると、さっきまで祭囃子が聞こえていたのに人っ子1人見たあらず
音もいつの間にか消えていた
そしてまるで長い間放置されたかのような祭のセットだけが佇んでいた
その時点でかなり寒気がして、足早に立ち去ることにした
車の中では、「あれなんだったんだろ、ちょっと怖いよな」って話をしながら
車は本来のルートに戻り
開なんとかトンネルって名前の3つ目のトンネルを通り抜けた
この時の風景はセピア色で今でも頭に焼き付いてる

運転手が酷く怯えた声で

「ここ、さっき通ったよな?」

俺にも、後部座席の友達にも確かに見覚えがあった
それでも車を進めて行くと、さっき通ったハズの集落の祭が見えてきた
祭囃子も聞こえてきた
俺たちは口々に、「道間違えたんだろ」とか「地図が間違ってるとか」言い合いになった
だが結局、地図の通りだと大きい道は一本道だし、進むしか無いから車を進めていった
そしてまたトンネルを抜けたが、また同じ風景だった

流石に尋常じゃないから、俺たちはほぼ無言になり一旦車を停め俺たちは外に出た
そしてトンネルの反対側からトンネルの名前を確かめた
開なんとかトンネルとなっていた
俺たちはどうすることもできないから、一旦戻ることに決めた

トンネルを戻ると何故か右側にはあるハズの集落が無く祭も無かった
そして正面からトンネルの名前を確かめると、開なんとかトンネルとなっていた
俺たちはやはりほぼ無言で再び車に乗り込みそのトンネルをまた通った
するとさっきまでとは違う開けた風景が目の前に拡がり
俺たちは安堵し、温泉宿に向かった

その後、俺たちは不幸に見舞われたとかは無いが
俺はそれ以降、その2人とは疎遠になってしまった



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