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となりのトトロ © 1988 Studio Ghibli

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俺が昔住んでた某県某町の田舎の話

クソ田舎ってほどでもないけど、中学校と小学校にスクールバスが必須で
学区内の小学校の半分が全校生徒50人以下くらいの田舎
母方のばあさんがそこに住んでて、ばあさんの兄弟が亡くなって
土地の権利がばあさんのものになって、なんやかやで俺ら家族が
そこに新たに家を建ててばあさんと住むことになったんだ
家建てて引っ越してしばらくしてから、その微妙な田舎で起きる妙なことに気がついた

時折、夜になるとどこからか笛の音がするんだよ
集落ってほどでもないんだけど、うちのある周辺にだけ聞こえる程度で
リコーダーとかじゃなくて、かと言って尺八って感じでもない
聞いたことはないんだけどオカリナとかに近いんじゃなかろうかって音
それが、時折夜になるとどこからか聞こえてくる
最初は近所のじいさんが吹いてるもんだと思ったけど
聞こえてくる方角はその時々で結構変わった
まあそれも特には気にしてなかったから家族に話すことも特にしなかった




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で、そんな笛の音に気づいてからしばらく経った頃もう一つ妙なことに気づき始めた
笛の音が聞こえた深夜になると、小火が起きる、事故が起きる
最初は偶然だと思ったけど、何度も重なるし、消防の半鐘の音がしない夜でも
翌日「どこそこで事故があった」だの「誰々さんちの納屋が燃えた」だの話が出る
それでもまだ偶然だろ、と思ってたんだけど、数年経っても同じことが起こる
ただ、笛の聞こえてくる方角と小火とかのは一致しない感じだった

そうやって何度も重なると何かあるんじゃないか、って思う訳で
ばあさんに聞いてみたんだよね、時々笛の音が聞こえるけどあれ何?って
ばあさん曰く「あれはこの辺の氏神さまみたいなもんでね」って話してくれた
こっからがちょっと長いかも
両親(特に母親はここ出身なので)は知ってたらしい、姉も笛の音には気づいてた
って事でばあさんが話してくれたこと


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・あの笛は悪いものを祓うために氏神様が時折吹いているもの
・ばあさんが子供の頃も、ばあさんのばあさんが子供の頃からもずっとあるらしい
・そうやって笛の音が聞こえたあとは必ず悪いことが起こる(小火とか事故とか)
・でも笛のおかげでこの辺(俺の住んでる周囲)には何も起こらない←これは実際不思議なことに確かに何もなかった
・氏神様とは言ってるものも、何の神様かはよく分かってない
・ばあさんたちはコリブエさまって呼んでる(漢字は知らない)
・この辺では暗黙の存在みたいになってて、みんな笛が聞こえると「あ、なんかあるな」って思ってるらしい
・だけど、時折「嘘笛」というのをやらなきゃいけないらしい

この嘘笛ってのは、いつもコリブエさまが笛で守ってくれてるのに感謝したり
時々はコリブエさまに休んで頂こうというのでいつのまにか風習みたいに根付いたらしい
それは、明確に決めたルールがある訳じゃないけど、コリブエさまを祀るというか氏神とするというか
要するにコリブエさまに守られてる周囲の家の信心深いじいさまばあさまたちが
時々コリブエさまの代わりに笛を吹くというものでそれで感謝とお礼とかを兼ねるそうだ


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で、これをやるのは完全に各個の気分でやってるらしいけど嘘笛をいつやった、だれがやったというのは
決して明らかにしてはいけないそうなんだ
(とは言っても明らかに隣の家とか分かってしまう時もあるけど、そこには触れないようにするのが不文律)
で、ばあさんはじいさんが生きてた頃にはじいさんが吹いてたけどじいさん氏んでからは参加してないそう
笛も実際オカリナだそうだ(オカリナだと思う、現物は見てないから知らんが言ってた)
俺が聞いてた笛の方角にばらつきがあったのも、多分「嘘笛」をどこかでやってたのを聞いてたんだろう、とのこと
あと、確かに笛の音を聞いた時は小火がよくあったけど必ず起きてた訳ではなかったらしい
この辺は話聞くまでは百発百中だと思ってたけどなかった日もあったらしい
そうやって時折匿名の完全気分の持ち回りの「嘘笛」を俺たちは聞いてたらしんだが
ばあさん曰く「今でも時々は本当のコリブエさまが吹いてらっしゃるし、その時は音色が違うんだよ」と

ばあさんは亡くなっちまったし、今はもうそこを離れて暮らしてるから分からないけど
俺が家族より先に上京して家を出る頃までは、まだ笛の音は時々聞こえていた
最後まで本当のコリブエさまの笛の音はわからなかったけど
そんな、俺が昔住んでた田舎の話


477
おわりです
改めて考えると不可解スレに書く話でもなかったな


478
>>477
乙。おもしろかった。
狸囃子とは違うような。オカリナっていうのもね。
ゴブリエってのも日本語というより外国語チックだね。ゴブリン的な。
なんとなく外国起源のように思うけどご先祖さんに外人とかいない?


481
>>478
狸囃子がどんなのかよくわからんけども
まあ漢字当てるとしたらやっぱり狐狸笛になるんじゃなかろうかね
移民の話も聞いたことないし、海なし県の山の中だし、狐狸だろうなぁ


480
>>477
乙。
嘘笛でググったら神社のお土産でうそ笛ってあるらしいんだけど、それは鷽笛で意味も違ったから関係はないのかな?
興味深いお話でした。

嘘笛吹いたことを人に話したり、何年も吹かなかったりするとどうなるんだろう。


482
しかし笛でボヤを事前に知らせてくれるのか笛のせいでボヤが起きるのか。
前者だったらあんまり役に立ってないみたいだし
後者だったら完全に疫病神みたいなものじゃないか。


483
>>480
神社はあったけどなんか小さいお社のさびれたとこで人もいなかったし
名前が被ってるだけで関連はないんじゃなかろうか

だいぶはしょったので補足しとくと
ばあさんの話だとニュアンス的に「いつ」「だれが」というのがわからなければいいみたいだったよ
というかその笛も適当に吹くんじゃなくて、ちゃんとメロディがあった
だからじさまばさまがその上のじさまばさまに習ったり家で受け継いだりしてたって
受け継ぎ方はどうかは聞かなかったけど、そういう風にしてたから
嘘笛を吹けるひとが誰々の家の誰々さん、くらいは知ってる人は把握してただろうし
何年も吹かなかったらどうなるか、についてはわからないけど
コンスタント(といってもそんな頻繁じゃないけど)には聞こえてた
でもコリブエさまが守ってくれる笛の音ってことだから吹かないと小火とか起きるんだろうね

なんかはしょった部分で質問あったらあとでまとめて補足もかねて答えるよ
聞かなかったことはわかんないからそこは勘弁してね、まああんまないだろうけど


484
>>482
知らせるというより、コリブエさまの守ってる範囲に起こらないようにする、みたいな感じ
田舎って言う小さいコミュニティの中って更に小さいコミュニティの集まりだから
よそはよそ、うちはうち、みたいなところはあったよ、クラスで言う班みたいなコミュニティ
だから、こっちからしたら一応災厄から守ってもらってるけど
よそからしたら疫病神だろうな、ってのは俺も聞いてて子供ながらに思った
でもよそはコリブエさまのこととか多分知らないから、よく小火だの事故だのおきるなあ、くらいだったのでは、と


486
>>484
へー。
じゃあつまりコリブエさまってのは集落の中でもほんの数世帯だけのピンポイントな神様なのか。
嘘笛は別にしてコリブエさま自らが吹くという笛の音は一般の人にも聞こえるものなの?
あとコリブエさまって容姿のイメージ的には何かの動物? 人間?


487
コリブエさま、トトロみたいだなあ


533
>>486
ほんの数世帯、ってほどでもないかな
一般的な町内会よりちょっと小さいくらいだと思ってもらえるとちょうどいいかも
コリブエさまが吹く笛、というのは俺も「これがそう」って言えるのは聞いたことないから
(気づかないだけで聞いていたかもしれないけど)何とも言えないけど
遊びにきた遠方の友人が「何これ笛? 風流ウケルー!」みたいな事は言ってた
それが嘘笛だったのか、コリブエさまだったのかはわからない
コリブエさまのイメージ、>>487が言うトトロってのは正直思いつかなかった
これまとめてみて、その中で「狐狸」という文字なんじゃないかってのがあったから
狐や狸みたいなのを今はなんとなくイメージしてるけど
当時は何故か「ちいさな角の生えた灰色のガンダルフみたいなおっさん」を想像してた


489
本物のコリブエ様と嘘笛が被る日はなかったのかな?

又は同時刻に偶然、嘘笛が被るとか?
暗黙の了解とはいえ不定期で気紛れならあり得るだろ。



490
>>484
ってことは、本来コリブエ様の守備範囲内で起こるはずだった厄災をなくすというよりは周りに散らしてる感じ?
散らされた側は知らない間に身代わりにされてるってことか。
そう考えると結構怖いかも。


534
>>489
これはなかった、覚えてる限りでは二カ所で笛が聞こえたこともない
俺もその辺は不思議に思ったこともあったけど、如何せん吹いてるのが
信心深いじさまばさまばっかりだったから、なんとなくそういう空気を読めたんだろうと思ってる
嘘笛同士が被ったってのも(というか本物と区別できてないから何とも言えないけど)ないな
俺がいたときはなかったけど、ずっと前にはあったのかもしれないけど

>>490
そうだね、どうしてもそういう言い方になっちゃうけど結果的に守る代わりに他所に、って感じかな
小火とか事故とかだけど、人氏にがゼロだった訳じゃないから
外側からしたらやっぱり疫病神的な存在なのかもね、外側の人は多分コリブエさま知らないだろうけど





引用: 不可解な体験、謎な話~enigma~ Part78