山に現れたどこでもドア

小学生の時に、学校の敷地内にあった祠のある山でかくれんぼをしていたという報告者。だが、気が付くと辺りから人の気配は消え、鳥のさえずりも葉っぱのすれる音も全てが聞こえなくなっていたそうです。怖くなった報告者は必死に山を降りようとするのですが――(おうまがタイムズ)



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久々に思い出したので、私が小学生の頃、山から降りられなくなった話を、書き込ませていただきます。

私の小学校は、敷地内に山がありました。
山といっても大きな山じゃなくて、小学生でもてっぺんまで登りきれる程度です。
元々は自然の山ですが、小学生が遊べるように所々に遊具があったり、スロープが設置されたりしていました。
その山には祠?みたいな、ちっちゃな神社みたいなのもあって、その小学校の怪談にはよく登場していました。
休み時間や放課後には、多くの生徒がその山で遊んでいて、私も6年間、よくその山で遊び回ったものです。

で、ここからが本題。
私が小学校低学年の頃のことです。
放課後、私と、当時仲の良かった友人数人とで、その山で遊んでいました。
山全体を使ってかくれんぼをしていました。
私は平地の地面が木の隙間からが見える程度の、山の低いところに位置する、周りを木に囲まれた、小学生にとっては少し大きめの空間に隠れていました。
その場に座って、静かに息を潜めて、鬼に見つからないようにしていました。

これが中々見つからなくて、いい場所見つけたなぁ~とか思ってたんですけど、ふと、周りがめちゃくちゃ静かなことに気付いたんです。
小学校の放課後を想像してもらったら分かると思うんですが、それまではガヤガヤワイワイしていたはずなんです。
自分達の他にも山で遊ぶ子はたくさんいたし、飼育小屋も近いため、鶏の声とかも聞こえるはずだし、山のなかですから、葉っぱの擦れる音とか、とにかくたくさん聞こえるはずなんです。
でも、その時は何も聞こえませんでした。



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私は、なんか怖くなって、立ち上がって、一緒に遊んでいた友人の名前を呼んでみました。
でも返事も何もなく、相変わらず静かでした。
そうなるとますます怖くて、もう山から降りようと思って、下に行こうとしました。

でも下に行けないんです。
今でもよく分からないし、なんて表現したらいいのかも分からないのですが、とにかく歩いても走っても進まなくて、ずっとその場にいるんです。
さっきも言いましたが、平地は見えてるのに。
怖くて左右に走ってみましたが、それでも進まないんです。本当に不思議でした。
後から思い返せば、絶対に上には行こうとしませんでした。
まぁ、降りようとしていますから、当然といえば当然ですが…

私は疲れてしゃがみこんで、どうしようってうずくまってました。
しばらく地面をひたすら見つめてたんですけど、顔を上げると、数歩先に扉があるのに気付きました。
木製の緑色の古びた扉でした。ド○えもんのど○でもドアみたいな感じで立っていました。
今思えば何を支えに立っていたのか本当に謎ですが。

それまでそんなものありませんでしたから、不思議で、ドアに向かって足を進めました。
その時は進めました。
ドアまで行って、少しドアを観察したあとに、そのドアをくぐりました。
すると、今まで忘れてたかのように周りの音が戻って来ました。
人の声とか、鶏の声とか、木の音とか、全部聞こえるようになりました。
振り返ると扉はまだありました。
でも、私は何よりも早く山から降りたくて、一目散に山から降りました。
その時はちゃんと降りれました。
後で下山してきた友人たちに、勝手に降りるなんて!って怒られたのを覚えています。



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続き、後日談みたいなものです

後日、扉のあったところに行ってみたのですが、何もありませんでした。
友人たち扉の話をしても、誰もあの山で扉を見たことはないと言っていました。
それから小学校を卒業するまで、数えきれないほど山に行き、遊びましたが、結局その扉をまた見ることはありませんでした。

もう10年以上前のことで、記憶もどんどんあやふやになっていって、大人になればなるほど、自分でも信じられない部分もあります。
でも、その扉の記憶は鮮明に残っているし、扉を何度も探したことも覚えています。
オチも何もない乱雑な長文で申し訳ないです。
でも、今更になって、あれは何だったんだろうと不思議に思ってしまって、頭から離れなくて。
ここなら詳しい方とかもいらっしゃるかなぁと思って書き込ませていただきました。
長々と失礼いたしました。



引用元: http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1483011251