時空のゆがみ

『異世界にきた?山奥のマンホールに落ち真っ赤な目玉に追いかけられ逃げた世界は…』

仕事帰りに街灯もない道を自転車で走っていたら真っ逆さまにマンホールの底に落ちてしまった。足元にはガイコツ、上を見上げると真っ赤な目玉が2つこちらを覗きこんでいて―― 

だいぶ昔の話ですが…
深夜仕事帰り、都心から山奥の駅、駅からは自転車、駅から暫くすると街灯も無しで
自転車のライトだけが頼りなんだよね、自宅まで真っ暗な山道が続くからごっつう怖い。
そんでさあ、なんと…マンホールに落ちたのね、
どっすーんとマッ逆さまで落ちてるのに幸い生きてる…奇跡…でもね、上を見ると
赤い小さな目玉が二つ覗いてるんだよ、悲鳴も出ないね、頭打ったのか?って考えて
もう一回上を見たんだけど、なんかもう目玉はいないんだよね…で唐突に『ガガッコン!』
って音がして蓋が閉められたのね!真っ暗になって大パニックになった訳ですよ、

『うわああああああああ何するんだ!出してくれ!俺はここに落ちたんだ!おい!
聞いてるんだろ!ふざけんな!あけろおおおおおおおお!あけろおおおおおおおおおお!』

って叫んでも叫んでも反応無し…ポケベルも携帯も電池切れになったのでヤクタタヅ。


しょうがないからハシゴを上って行くんだけど、何かハシゴが錆びててギシギシ音しててメッチャ怖いんだよね…また落ちても助かる保障無いし…んで蓋を押すんだけど何か開かない。
全然俺の力じゃ無理って感じ、ていうか少しは動く…なんか上から誰かが思いっきり押さえてる感じか?怖くなってガンガン叩きながら

『誰か助けて!閉じ込められてます!警察呼んでください!おい!ふざけんな!てめえ開けろ!』って大声で叫ぶ。

まあ人なんていないんだろうけど滅茶苦茶に叫ぶ…反応無し…ハシゴがギシギシミシミシ
言い出して怖くなって一旦降りる…真っ暗で気が狂いそうになるが、だんだん目が慣れてくる…ガイコツが足元に!凄い情けない悲鳴を上げる…だが、よく見ると犬の骨。

15分位そこで、うずくまる…死ぬ程寒いのでそこでの野宿は無理と判断し下水道を歩き始める。
トンネルが3つに分かれてる…最悪、遭難の怖れもあったので戻って来られる様に真中の道を進む事に決めた。長い…ひたすらに長いトンネルだ…つうかこの道路に下水道なんてあったのか?怖くなるので考えるのをやめた…
暫く歩くと白い光が見えた、出口!急いで駆けていき出口に着いた、そこで止まる。
ふと下を覗き込むと断崖絶壁の下に真っ暗な森が広がっている…人家の光も遠目にしか見えない、落ちたら死ぬ。

戻るのか…後ろを振り返る………!誰かいた!走っていく…表情は笑っていた様な感じ。
それでも戻るしかない…歩き出すと、突然携帯が鳴る…出る……会話の内容は殆ど覚えてないが途中まで知ってる人の声だったけど何か凄い怖い感じなんだよな、同じフレーズを何度も繰り替えすんですよね、会話も通じないし噛み合わない。
怖くなって途中で切ったら切るなよ!って気持ち悪い声で怒鳴られてすぐ携帯は投げ捨てた…泣きながら歩く…

行きには見なかった変な模様がいっぱい描いてあった…怖いので読まずに無視した、落ちた所まで戻るとなんと蓋が開いていた!急いでハシゴを上る!外に出られる…っと思ったらまたあの赤い目…今度はどアップだ、蛇に睨まれた蛙状態だったが…勇気を振り絞って 上る!
がむしゃらに上り上を見るとまたいない!急いで上り終える…外に出る…デッカイダンプが突っ込んでくる!…モグラ叩きみたいに急いでしゃがんで避ける恐る恐る外に出る。

一面山奥だった…恐怖で狂いそうだったが穴に戻るのだけは御免なので急いで出て走り出す。
4時間程彷徨ってようやく道路に出る…そして昏倒した。
目が覚めると病院のベッドの上でした…

あの辺にはそもそも街も駅もマンホールも無かったそうです。
というか、リハビリで本を読んでたりするのですが世界の国名とか都道府県名とかが意味不明なんですよね、なんか全然違うんですよ俺の記憶と…
異世界に迷い込んだ感じですかね、聞いた事無い方言だね?とか言われたり、日本列島てもっと長かったよね?〇〇県て何で無いの?って周りの人に言うと絶対に変な顔をされます。

というか俺にこの事件以前の記憶はありません、
名前も歳も仕事も思い出せません…記憶喪失というやつですか?