24
全く怖くはなかったけれど不思議な体験。

大学生の時、留学でイギリスに行った。
留学先には自分の研究してた人物のお墓があって
研究してるってだけでなく、その人のことを凄く尊敬もしてたから
お墓参りに行くことにしたんだ。
事前にネットで見てどんなお墓なのかは知っていたし
墓地の場所も現地の先生に聞いて分かっていたから
行けばなんとかなるだろうと授業が無い休日に一人で行った。
そんなことに着いてきてくれる様な奇特な友人居なかったしね。

トラックの兄ちゃんに手を振られたりしながら歩いて
着いた墓場はごくごく普通の所だった。
昼間だったし、天気もよかったから
木が多めの公園、空き地、みたいな感じで怖い感じはしなかった。
猫がのほほんといて、「こんにちは」って声かけたら寄ってきた位。
超平和。

猫を撫でて気を抜いていた所だったけど
ここで、そのお参りしたい人のお墓がどこにあるのか
分からないことに気がついた。
分野内ではかなり有名な人なんだが、誰でも知ってるとまではいかないから
観光名所ってわけではないみたいで
期待してた案内板も無いし、事務所みたいな所にも誰もいない。
他にお参りしている人すらいない。
訊きたくてもとにかく誰もいないんだ。
ひとつひとつ覗き込むしか無いのかとちょっと途方に暮れた。
そんなに大きな所ではなかったけど、結構お墓の量はあったからね。
続く




25
そしたら、さっきの猫が呼んだんだ。「にゃあ」って感じで。
そのまま歩いていこうとして、それを眺めてると振り返ってもう一度呼ぶ。
着いてくるのを待ってるみたいに。
何だろう、どうしよう、と固まってると、そのこずっと待ってるんだよ。
埒があかないし、迷ったけど思い切って着いていってみた。
どうせ墓地内は歩かなきゃいけないし。

着いていくと、猫は歩き出した。
時々「ちゃんと着いてきてる?」って振り返ったりしてた。
その度に「着いていってるよ」って返しながら
もしかして行きたいお墓まで案内してくれるのかな、と思い始めた。
馬鹿馬鹿しいとは自分でも思ったよ。
お話じゃあるまいし、第一猫に行きたい場所なんて言ってないし。
でも猫は迷い無く歩いてた。
墓地内の通りを抜けて、林みたいになっていて
多分普通人が通る場所じゃない所も歩いてたけど
それでもこっちを確認してくれながら先導してた。
で、あるところで止まったんだ。

ここに書き込むくらいだから予想はつくと思うけど
そこはお参りしたい人のお墓だったよ。
嘘だろ、と思ったけど、墓碑銘に間違いは無いし
そこまで来たら猫はもう歩こうとはしなかった。
一緒にお墓を眺めたり、足にまとわりついたりしてた。
本当に猫が案内してくれたんだ。



26
それからお参りして、猫にお礼を言って帰ったよ。
あの時ほど食べ物を持ってないことを後悔したことはない。
撫でてあげるくらいしか他にお礼が出来なかった。
あのこがいなかったら、相当時間が掛かっただろうから
とても感謝してる。

留学の終わりにもう一度お参りに行った時は、あの猫はいなかった。
でも、教えてもらっていたから今度はすぐに辿り着けたよ。

あの日はとても長閑で天気がよくて
そんな日の出来事だったから、我ながら嘘くさいと思うが
写真を撮らせてもらったから、あのこの写真が今もPCにあるんだ。
だからあの猫に出逢ったのは間違いない。

留学で色んな体験したけどこれが一番の思い出。
スレ違いになるが、猫に案内されてお参りした夜
その人の夢を見たこともあって、とても印象に残っている。
怖くはなくて、とにかく不思議な体験だった。
猫って凄いとつくづく思ったよ。

長文&読み辛くてゴメンナサイ


28
>>26
面白かった。ぬこ可愛えぇなぁ。


43
>>30
かわいい~!
もしかしたら、ここにはその方のお墓にお参り?に来る人が多いのかな
覚えちゃったねこちゃんは迷ってる人みると案内するのかも


29
>>26 すごい、なんか目に浮かんだし、感動しました
よろしければ、その偉人さんの夢の話もお聞きしたいです


31
>>29
夢の話はスレ違いなので恐縮ですが
教え子に囲まれているその人を遠くから眺めている夢でした。
どうしても訊きたいことがあって話したい、どうしよう!とおろおろしていて
そのうちはっと「ああ、彼はもう氏んでしまってるじゃないか」と
気付いて目が覚めました。
夢でも良いから話したかったです。

この猫とその方についての不思議話は以上です。
聞いてくださってありがとうございました。


36
いい話だ。心が和んだよ。ありがとう。


37
こういう不思議体験なら体験してみたいね







引用:不可解な体験、謎な話~enigma~ Part82