笑える霊体験

笑える霊体験『供養の礼にお前を料理人にしてやるよ』『結婚式の心霊PV』『俺は生ゴミかよ』


『供養の礼にお前を料理人にしてやるよ』

霊体験になるのかどうかわからないんだけど、よく無縁仏の霊に頼られる。
来たら腰が痛くなったり眠気が強くなったりするからお祓いに行くんだけど、お祓いの際霊の言い分?も聞くんだ。

俺「何で俺に憑いたの?」

無縁仏「料理人だから。」

専門学校行きながら寿司屋でバイトしてて、魚捌いたりとかしてるんだけどそんな理由で来られてもw

無縁仏「お前の腕を磨くために力になりたい」

俺「いや、いらんし」

無縁仏「市内で有名な料亭で花板してたんやぞ」

俺「いや、眠かったり腰痛いからいいよ」

無縁仏「ここで供養してもらったからほんのお礼だ」

俺「いや、バイトだからいいよ」

無縁仏「お前は筋がいいから俺が仕込んでやるよ」

結局、寿司屋に就職が決まってしまった。

店長にめちゃくちゃ気に入られたんだけど、他にも家が割烹やってる子と仲良くなって親父さんに気に入られて「うちに来いよ」って言われたり。

料理人になるつもりなかったのにどんどん料理業界に引きずり込まれてしまった。

ちなみにおかんも霊に頼られるタイプらしく、墓場や事故現場や古戦場近くを通るたびに霊をひっつけて帰ってくる。


『結婚式の心霊PV』

友人(新婦)の式。オカルト注意。

新郎新婦の生い立ちみたいなプロフィールビデオが流れたんだけど
写っちゃいけないものがバッチリ写ってた。
他にも何人か気付いた人がいたらしくてザワザワ…ザワザワ…。
で、その変な空気がやっとおさまりそうってところで、
新婦の従姉妹(?)が中二病かメンヘラか分かんないけど
「○○ちゃん(新婦)は祟られてる!」と叫び出してさあ大変。
父親らしき人に即行でつまみだされたけど、
「怨念!悪霊!私が除霊してあげる!」ってロビーでも暴れてた。

そのPVは新婦の手作り。
小さいプレビュー画面を見ながら作ってたせいで気付かなかったらしい。
当時、新婦は皆がザワザワしてるのは
あまりにもPVの出来が良くて感心しているせいだと思ったらしい。
いきなり従姉妹が叫びだした時には
「何のサプライズ演出かと思ってワクワクしたのにww」って笑ってた。

式後、PVを家族で確認したところお父様が「かあちゃんだ」とポツリ。
なんと写っていたのは生前からイタズラ好きだった新婦のお母様だそうな。
お母様が亡くなったのは新婦が3~4歳の頃だったため
あまり記憶もなく、写真と見比べてもピンと来なかったらしいけど
お父様が呟いた「かあちゃんだ」を聞いた瞬間に
涙があふれてとまらなかったそう。

そうだよね。
悪霊が「あっかんべー」して写るわけないもんね…。


『俺は生ゴミかよ』


もう10年くらい前だけど、残業でかなり遅くなった日、
駅から自宅に向かってトボトボ歩いて帰ってたんだ
そしたら、50メートルほど前方の踏み切りにおっさんが立ってた
でよく見るとそのおっさんの前方には白いモヤのようなものが浮かんでた
うぇえ、あれ幽霊じゃね?
俺が先に行かなくてよかった~と、ちょっと安心した

しばらくするとおっさんは「うあぁぁぁくぁ」と調子の外れたような声をあげて後ずさりして、こっちを振り向くとすげぇ引きつった顔で猛ダッシュしてきた
すると白いモヤもすぅーっとおっさんのあとを追いかけてこっちに向かってくる

んでそのおっさんは俺の脇を風のように通り過ぎた
うわぁ、モヤが迫ってくるぅ!
俺もかなりビビリだから、マジで足がすくんでしまい動けなくなった

迫るモヤが俺の前ですっと止まった

ターゲット俺に移った!?
逃げなきゃ!
でも体動かねぇ!
俺もうダメ、死ぬ
いろんな思いが一瞬で駆け巡った

だが白いモヤが立ち止まった(?)のはホンの一瞬のこと、ソロリソロリと俺をよけるとまたおっさんを追いかけていった
害が無かったのは良かったけど、華麗にスルーされた俺の気分はちょっと複雑だった
というか、なんだよあのよけ方は
俺は生ゴミかよ
あと、あのおっさんどうなったんだろ

ちなみにこのあと何度かここを通ったけど、そんな白いモヤを見ることはもう無かった