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前にお客さんで、霊柩車の運転手をやってる人がいた。
仕事柄?色々体験したそうです。(霊感は無いと言っていましたが)
その人の話でおぼえてるのが・・・

まだその仕事に就いて間も無い頃
12月のとても寒い日に、病院で亡くなった人を家まで運ぶ事になった。
(昔は家で葬式を行う事は普通の事だった)
亡くなったのは、小学校3年生の男の子。
「子供か、かわいそうに」と思い手を合わせてから小さい棺を車に乗せた。
そして母親を助手席に乗せて、病院の裏手の出入り口から車を出した。

「1時間位で着きますよ。息子さんは何故・・・」
聞いてはまずかったかなと思ったらしいんですが、話したくなきゃ話さないだろう
と思っていると母親は、ぽつりぽつりと息子の事を話し始めた。
一つ一つ思い出す様に、悪さした事・100点を取った時の事・仲のいい友達がいた事・・・
そして、急性の癌(たぶん白血病)で亡くなった事を・・・
聞かなきゃ良かったと思ったそうです。大粒の涙を流す母親に何と言って良いのか
困ったそうです。

沈黙の時間が流れ、家の近くまで来ました。
母親に「突き当たりのT字路を左に曲がって、牛乳屋さんの脇道に入ってください」
と言われ、やっと着いたと思い左にウインカーを出した時

「だめ・・・」

子供の様な声が聞こえた気がした。
気のせいだと思い、ハンドルを切ろうとすると頭が二日酔いの激しい時みたいな状態になり
なぜか右に曲がってしまった・・・
曲がり終えて2~3秒で気分の悪さは収まった。




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「あの、反対ですが・・・」と母親に言われ
「すいません。Uターンしますので」と言い、狭い路地を数百m走った。
空き地を発見し、車を頭から突っ込んでバックしようとした時3~4人の子供が
隣の駄菓子屋から走って来た。
母親は、驚いた表情で「すいません。ちょっと待っててください」と言い車を降りた。

母親「みんなどうしたの?」
A君 「○○君のおばちゃん!○○君どこにいるの?」
母親「えっ!?」
A君 「さっき○○君が電話で病院出たから1時間くらいで着くって言ってたからじゃあみんなでお菓子たべようってここで待ってたの。」
B君 「退院したらここで待ち合わせって約束してたの。みんなで○○君の分買ったんだよ。」

母親はしゃがんで微笑みながら「みんな・・・ありがとう・・・でもね・・・もう○○は・・・」
A君 「おばちゃんどうしたの?」
母親「天国に行ったのよ」

堪えきれず涙を流す母親・・・

A君 「うそだ!!さっき電話したもん!!」

母親は運転手さんに近づき「逢わせてあげてください」と言った
ハッチバックドアを開け、棺の窓を開けると子供たちは恐る恐る中を覗き泣き出した・・・
母親は「○○はもう最後だからみんなに逢いたかったんだと思うよ。○○もみんなに逢えて喜んでるよ。 ありがとうね」

小窓を閉める時に見た顔は、満足した様に安らかだったそうです。
子供達が買ったお菓子を棺の上に乗せて家に行ったそうです。
A君は、仲良しグループ5人組のガキ大将で、退院したらA君に電話してみんなで集まる約束をしていたそうです。

長文乱文で失礼しました。






引用: ◇ 心霊ちょっといい話 ver.3 ◇