夏休み、父方の田舎に行った友人は、おじいさんと一緒に田んぼの近くを散歩するのが日課だった。ある日いつものように二人で歩いていると、青々とした水田の中に一本だけ黄金に色づく稲穂を発見して――(おうまがタイムズ)
986 2017/09/07(木)
以前友人がこんな話をしてくれた。
友人は幼いころ、毎年夏休みを父方の田舎で過ごした。
滞在中は、おじいさんと散歩に出るのが日課だったそうだ。
その日もいつもの散歩道を二人で歩いていたのだが、
ちょうどさしかかったおじいさんの田んぼの中に、目に留まるものがあった。
7月のおわり頃の一面青々とした水田の中で、一本だけ黄金色に色づいた稲穂を見つけたのだ。
それは田の中心付近にあり、他よりも穂先一つ分高くてよく目立ったそうだ。
不思議に思ってたずねると、おじいさんも気付いていた様子で、
「ああ、そうだなあ」と何でもない風に言う。
その返事に拍子抜けしかけているとおじいさんは、
「ちょっとここで待っていろ」といって、
田んぼ脇の物置小屋で長靴に履き替え、水田に分け入り件の稲穂を摘み取ってくると、次のように語ったそうだ。
友人は幼いころ、毎年夏休みを父方の田舎で過ごした。
滞在中は、おじいさんと散歩に出るのが日課だったそうだ。
その日もいつもの散歩道を二人で歩いていたのだが、
ちょうどさしかかったおじいさんの田んぼの中に、目に留まるものがあった。
7月のおわり頃の一面青々とした水田の中で、一本だけ黄金色に色づいた稲穂を見つけたのだ。
それは田の中心付近にあり、他よりも穂先一つ分高くてよく目立ったそうだ。
不思議に思ってたずねると、おじいさんも気付いていた様子で、
「ああ、そうだなあ」と何でもない風に言う。
その返事に拍子抜けしかけているとおじいさんは、
「ちょっとここで待っていろ」といって、
田んぼ脇の物置小屋で長靴に履き替え、水田に分け入り件の稲穂を摘み取ってくると、次のように語ったそうだ。
通常稲の実る時期よりも早く、一本だけ色づいた稲穂が出ることがある。
それは必ず田の中心付近に、他を見下ろすように生えるのだという。
その穂先には確かに実が詰まっているのだが、その稲を放置しておくと、
どういうわけか周りも同じように早々に色づき、しかしそちらには全く実がならないのだそうだ。
話を聞いた友人がおじいさんに、
「その稲は悪いヤツなの?」とたずねるとおじいさん曰く、
「どちらかというと、周りの方が身の丈に合わないことをしてしまうんだよ」といって笑っていたそうだ。
ちなみに、食べると長生きできるらしい。
確かに友人のおじいさんはかなりの健康ご長寿さんだ。
それは必ず田の中心付近に、他を見下ろすように生えるのだという。
その穂先には確かに実が詰まっているのだが、その稲を放置しておくと、
どういうわけか周りも同じように早々に色づき、しかしそちらには全く実がならないのだそうだ。
話を聞いた友人がおじいさんに、
「その稲は悪いヤツなの?」とたずねるとおじいさん曰く、
「どちらかというと、周りの方が身の丈に合わないことをしてしまうんだよ」といって笑っていたそうだ。
ちなみに、食べると長生きできるらしい。
確かに友人のおじいさんはかなりの健康ご長寿さんだ。
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面白い
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エニグマスレらしい話だったよ
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稲の話、良かったな
怖いわけではなく(農家にとっては幽霊より怖いかもだが)
真っ青な青空の下、一面青々と広がる稲穂の中に、一本だけ頭一つ高く、金色に輝く稲
舞台となる情景が絵画的で、よく目に浮かぶ
また、その異分子稲が悪い奴なのではなく、周りが勝手に影響されて悪くなってしまうってのが
含蓄の深い良い話だった
怖いわけではなく(農家にとっては幽霊より怖いかもだが)
真っ青な青空の下、一面青々と広がる稲穂の中に、一本だけ頭一つ高く、金色に輝く稲
舞台となる情景が絵画的で、よく目に浮かぶ
また、その異分子稲が悪い奴なのではなく、周りが勝手に影響されて悪くなってしまうってのが
含蓄の深い良い話だった
引用: 不可解な体験、謎な話~enigma~ Part103
引用: 不可解な体験、謎な話~enigma~ Part104
コメント
コメント一覧 (5)
味はどうなんだろ
美味しいのかな
なんとなくだけど、最初の一本は田んぼの神様に選ばれた一本って気がする。
学校で、夏に頭一つ飛び出して目立つ早熟な奴が出てきて、周りにいるキョロ充たちがそいつの真似をして調子にのるけど、結局、猿真似のキョロ充たちは中身のないスカスカ...
早熟な奴を食べると長生きできるかは知らんが、きっと美味しいとは思うw
自分もそう思った
影響力の強いものってどの世界にもあるんだな
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