425 2017/11/19(日)
俺の住んでたど田舎では"人魚を見た"というだけでそこが禁漁区になる。
それが昔から続く風習だから。 ただそれだけの理由で禁漁区になる。

実家を継いで漁師になった俺の弟は、その風習を使って金儲けを考えた。
禁漁区は5年もすれば魚のデカさがとんでもない事になってる。
アブラメなんか1メートル近いのがあがったりするし、カサゴもオコゼも大きくなる。

そこまでデカくなってしまうとぶくぶくに膨れて、なんの魚なのかわからない事もしばしばある。
そんな魚はここいらじゃ売れないのでよそへ売りに行く。
不思議と都会の人間は物珍しさで皮がぱっつんぱっつんのアブラメを高く買ってくれる。

禁漁区にカゴさえ入れなければ釣りをしてもいい(本当はだめです)という謎理論で、それをやって弟は儲けた。
しかしそんな日々も長くは続かなかった。

釣りが趣味の俺と弟が一緒に釣りに出かけたある日。
そのスポットは俺しか知らない秘密のスポットで初めて弟を招いた。
小学生の頃から10年ほど通う場所で、大きなカレイなんかが釣れた。
海底が砂で海藻が多く潮の流れが早いのと二枚潮で、不人気なスポットだったんだ。

しばらく釣りをして弟が人魚を見つけた。 人生で初めての経験だった。
想像していたものとは違っていた。
アザラシのような尾っぽに、少し出た胸。 下着なんかはつけていなくて、髪の毛がある。
こちらを背に泳いでたまに顔がこちらを向くくらいだったので、顔は確認できなかったけど
多分、あれが人魚と呼ばれる生物なんだと思う。

そのことを家に帰ってから漁業組合に報告すると、37年ぶりの発見報告だったらしく俺のスポットは禁漁区になった。
弟はその事を非常に申し訳なく思っていて俺に謝った。

「○○くん(俺の名前)ごめん。実は禁漁区で釣りして他所で魚売ってたんや。
バチが当たってしもうたんかもしれん。ごめん。」

ここで初めて弟の悪行を知った。多分バチとかじゃないと思う。 これでこの話はおしまい。



417 2017/11/18(土)
怖いっつーか、不思議な話?

20年ほど前、まだ俺が小学生の頃のこと。
当時、俺はクラスでイジメを受けていた。
今考えるとそこまで深刻ではなく、からかいの対象程度だったんだが
当時の俺には凄く恐くて、そいつらが病気になって学校休んでくれないか、とか
事故にあってくれないか、とかそういうことを毎日考えていた。
ある日、ふと思いついて、両親の部屋にあったキューピー人形と
裁縫箱から針を持ち出して、そいつらの名前を書いた紙を人形にはりつけ
呪いの藁人形代わりに、顔や体にグサグサと針をさしていった。
10本くらいさして、それは引き出しの奥深くに片付け
翌日、そいつらが氏んでたらいいなあ、と思いながら眠りについた。
残念ながら翌日、そいつらは氏んでなかった。
いつものように学校にいき、いつものようにからかわれた。
ところが、夕方祖母から電話があった。
「昨夜、お前に体中に針を刺される夢をみたけど、何か変わったことはないか?」と。
誰にも見られてないはずだから偶然なんだろうけど、昨日の今日なので俺は大いに焦り
泣きながら婆ちゃんに謝った。
婆ちゃんは「いいよ、いいよ」と許してくれた。
日曜、婆ちゃんがうちにきてくれて、婆ちゃんと近所のお寺にいって事情を話して人形を引き取ってもらった。
お寺の住職さんは学校の先生を兼業でやっている人らしく、俺の話を聞いてくれて
「そういう人間はどうしても出てくるから、他に仲の良い人をつくりなさい。
嫌な事ばかり見たり考えていては、人間どんどん悪い方向へいくからね。
できるだけ良いことを考えなさい」といわれた。
翌日から、俺はからかってくるヤツを無視して、別の同じゲームが好きなヤツと遊ぶようになった。
しばらくした、そいつらからのらからかいもなくなった。

霊感ゼロの自分が、人生の中で唯一あった不思議な話でした。


423 2017/11/19(日)
これは自分が小学三年生の時に本当に体験した話。

当時自分は二つ上の兄が友達と遊ぶ所によく付いて行ってた。
兄は鬱陶しそうにしていたけど当時小学三年生の自分は年上と遊ぶことに優越感を覚えていた。
兄たちがよく遊ぶ場所は決まっていてマンションに囲まれたちょっとした広場で、遊ぶ内容といえばサッカーがほとんどだっだと思う。
夢中で遊んで時間も遅くなった時に誰かが蹴ったサッカーボールが広場にあるマンションが所有してる倉庫の所に飛んでいった。
その倉庫の扉はいつも鍵がかかっていて電気もついてなくて入り口から扉までが無駄に5メートルぐらいある建物だった。
そして化け物が住んでるとか管理人の家だとか幽霊がいるとか小学校では噂になってる場所だった。
誰かが蹴って飛んでいったサッカーボールはちょうど倉庫の奥に向けて飛んでいったけど倉庫は電気が点いてなく、夕方ということもあり外からは奥の扉が見えないぐらい暗かった。
そのサッカーボールは一番年下の自分が取りに行くことになり、どうせ扉にぶつかってるんだろうなと思いながら倉庫に入って行くといつもは完全に閉まっているはずの倉庫がその日はなぜか空いていた。
ボールは扉の枠に当たって中には入っていなかったけど様々な噂が小学校で流れていたため倉庫になにがあるのか急に興味が出てきた自分は落ちてるサッカーボールを抱えて1人で倉庫に入って行った。



424
恐る恐る入っていったものの中にはモップとかバケツとかの掃除用具が立てかけてあるだけで
当時小学三年生の自分は正直ガッカリしたのを覚えてる。
結局何でもないじゃんとか思いながら倉庫を後にしようとした時、急に立てかけてあったモップがカタンって倒れた後フフッていう笑い声がした。
でもその時自分はなぜかその笑い声を自分の笑い声だと思って怖いとか不思議に思うことすらなく倒れたモップを元の位置に戻してあげようとした。
モップを元の位置に戻そうとしている時、急に視界の端に白い何かがチラついた。
その方向を見るとそこには二つのモップが浮いて上下に揺れてたんだ。
さっきの笑い声や揺れているモップが急にとてつもなく怖くなった自分は大急ぎで兄たちの元に走っていった。そして今見たことを説明したけど当然信じてもらえずその後何ヶ月かはそのことをネタにバカにされてたと思う。
大きくなった今はマンションの管理人さんがいてたまたま両手にモップを持っていたのを見間違えただけかなとか思うけれどモップが倒れた時に聞こえた笑い声は何となく人間じゃないような気がする。
オチも何もないけどこれが本当に体験した自分が怖かった話です。







引用: ほんのりと怖い話スレ 126