『嫁と子供を守ってくれた父』

一週間後の仕事中に姉より携帯に連絡がきた。
父が風呂で気を失っていて病院に運ばれたとのこと
姉の泣きながらの電話だった。
俺は覚悟を決め病院に向かった。その途中に妻に父が「タオレタ」と伝えた。
信じたくない気持ちもあり、妻には待機するように言った…
しかし、病院に寝ている父の顔には白い布がしてあった…
言葉にならなかった……
その時妻から電話が来た

その時の会話

妻「お父さん、大丈夫?〇〇ちゃん(子供)が踊りながらバイバイって喋ったんだけど…」
俺「…………」
妻「それと、そっちに行こうと思ってるけど家の鍵が無くなった。」
俺「…ゆっくりいいよ、俺も間に合わなかった」

その後、妻と子供が病院についたのは二時間後だった…三十分あれば着くのに
どうやらタクシーとトラックが正面衝突して渋滞していたらしい。
後からニュースで知ったが事故は妻達が家を出ようとしていた時間帯のタクシーだった…
そして、無くした家の鍵はなぜか子供が持っていたらしい…
なんでも鍵をかけずに行こうとしたら、子供が泣き出して行けなかったらしい。

妻「あの時、〇〇ちゃんはおじいちゃんと話してたのかな……?」



俺は鼻水垂らして泣いた!




『恋火』

まだ母親が若かりし頃、
母親の姉妹の長女が病の床についてしまいました。
姉には親に言えない恋人が、川を挟んだ向こう岸の村に居り、
病床の姉に会わせてやりたいと言う気持ちを俺の母親は、
親に言った方が良いのか悩んでいたそうだ。

しかし当時の村の医療事情や町への行き来の不具合から長女の病が悪化し、
好きな人への思いを残して姉は、とうとう亡くなってしまいました。

その夜、俺の母親は川を渡る火の玉を見たと言う。
その光景は恐いと思うよりも、
やっと好きな人の家に行けた姉だとを思うと涙が出たそうだ。



『あの世にある幸せな家』

次女を妊娠中にこんな夢を見た。

険しい石ころだらけの山道を長女の手を引いて歩いていくと
町並みやビル郡が一望できる山の上にでた。
そこには祖母がいて、立て替える前の祖母の家があった。

「今、出かけてるけどおじいちゃんもここにいるんだよ。」

「え、おじいちゃんって死んじゃってるのに?」

「この年になると、生きてるのも死んでるのもあまり変わらないわ。」

って楽しそうに笑った。
目が覚めた朝に母から電話。祖母が亡くなったって。自サツだったと…
今でも夢に見た祖母の笑顔を思い出す。
自サツは絶対よくないけど(残された私たちはもちろんとても悲しかった)
祖母は今も愛した家に祖父と一緒で幸せだと思いたい。