549
幼い頃、まだ暗い明け方ふと目が覚めた。

よくみると古くて透き通った芸者さんが、
悲しそうな表情でぐっすり眠っている父の枕元に座ってた。
幼心にも「えっ、なにこれ?」と思ってじーっとみてたら、
芸者さん、つつーっと血の涙を流してすうっと静かに消えていった。
目の前で本当に煙のように消えていった。

それから数日後、父と母が大げんかを始めた。
浮気したのいいがかりだの、
そんな痴話喧嘩がその日を境に絶え間なく繰り返すようになった。
子供心に「ああ、あの女の幽霊がなんか仕掛けよる」と思った。
でもそんなの親に言える訳がない。

親の不仲は数年に渡り続き、遂に一家離散になりかけた頃、
不思議な縁で高名なお坊さんと知り合いになったのでおそるおそる相談してみた。
すると「お父さんを連れて行かれないよう護ってあげなさい」と、お経巻をくれた。
お坊さんの説明によるとやっぱり父に憑いた女の霊の仕業だという。
「お父さんのお母さん、あなたからみてお祖母さんが大変心配してる」と。

早速極寒の早朝5時、
毎日決まった時間にその女の霊の成仏を願って読経を始めた。
お坊さんに言われた通り、49日間、どんなに熱が高い朝でも具合が悪い日でも一生懸命読経を続けた。
すると父にコバンザメのようにしがみついてた我が家に悪影響を及ぼす人たちが、
一人、また一人と父から離れていった。
父に一番タカってた愛人とその家族も、
過去にトラブルを起こした家から裁判を起こされうちの父どころではなくなり離れていった。

それと反比例して父と母の夫婦仲、私達家族仲は良くなっていった。

続きます。




550
無事に49日間の供養が終わった日、
ああ、これであの女の霊は成仏してくれたんだと思って寝たその夜、
女達が円座をつくって何やらやってる夢をみた。
一人の女が円座の女性達の顔を覗き込んで「お前か?」「お前か?」と訊いてまわってる。
その様子を眺めてる私に気づくと「お前か!」と鬼の形相で迫ってきた。
「次は・・・お前の番だ!!!」
と激昂されたところで怖くて目が覚めた。

それから数十年後、
私は最初の夫を失い、子どもを急な病で失う目に遭った。
常識では考えられない出来事が立て続けに私の身にだけ起こったとき、
ああ、あの女の霊はとんでもないものへと変わってしまったんだと哀れな気持ちになった。
父母はこれまで以上に仲睦まじくお互いを労って暮らすようになり、
急な難病で孫を亡くしたことで家族一族の幸せをなにより一番に考えてくれるようになった。

何の祟りか知らないけれど、
親の因果が子に報いたんだろうと想わざるを得なかった、
そんな私の数十年に渡る実体験でした。 

長々とお目汚し、失礼しました。


551
>>549-550
語り口調といい、しっかりした文章といい…
久々に鳥肌が立つレスを読みました。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル


553
>>549
ご自身のお払いはなさったのですか?
レスから察するに、家族に災難が行かないよう
呪いも全てご自身一人で受け入れる覚悟をなさっているように感じます、、、。

女性の恨みは怖いですよね、、、。
父が若い頃、お店も持たす位に親密になった女性がいたらしく
母が占い師に霊視を頼んだところ、そのお店の場所が分かり、かすかに見えたその女性が
「姿は見えるけど、両手で顔を隠してる」と言ったそうです。
母はさっそく女友達を引き連れて、その女性のお店に行き営業が出来ないように
グラスなどを割って暴れてきたそうです(怖い母です、、、)
その愛人の顔がとてもブスだったそうで、それが両手で顔を隠してた理由だったのでしょう。
私が大人になって、昔の父の笑い話で母は語ったのですが、母が父より先に亡くなったお通夜の夜
父にその愛人の話を聞きましたところ、父は「ママはそんな事まで君に話してたのか、、、」
とあきれながらも、愛人の思い出話を語り始めました。
「とても尽くしてくれた優しい女性だったのに可哀想な事をした
ママは君も知っての通り、恐ろしい性格だったから意地悪されて彼女はどこかに消えてしまったと」
母のお通夜なのに、父は母との思い出を一つも語る事無く、ずっとその女性の話だけしてました。
でも、父が愛人と別れた後、事業が傾いて家はどん底の貧乏になり父は糖尿を患い十数年透析を受け続け
最後は両足を切断して、辛酸を嘗め尽くし気が狂って、先日誰にも見取られる事なく亡くなりました。
山城新吾のような最後です。
あまりにも不幸で壮絶な死だったし、家族も一家離散寸前の壮絶な状況だったので
今にして思うと、私達家族は女性の呪いを受けてるのではないかと不安になってます。
女三人姉妹なのですが、一人は離婚して盲目になってしまい
私と妹は婦人科系の病気で子供は生めない体なので、私の代で家は終わりです。
こういう霊視や除霊はお寺でやってもらうのでしょうか?
少し脅えて悩んでるのです。 どなたか、良きアドバイスをお願いします。

長文失礼いたしました。



554
>>553
すごすぎ・・・
それ、普通じゃない・・・。
呪いが掛けられるてるとしてどこでそれを解くべきかは
詳しく私も分からないけど
現在進行形で呪われてるならまだしも
過去に呪いを掛けたその影響がまだ残ってるなら
逆に呪いを掛けて相手を潰すとかいう方法もあるらしい。
でもこれは最終手段だよね(好き好んで誰かを呪おうなんて思うものじゃないし)

近くの大きな神社に行ってお祓いを受けてみたら?
事前に電話をして
神主さんにちょっと事情があってお祓いを受けたいって。
できれば話も聞いて頂いた上でお祓いを受けたいのだけどどうだろうかって。
神様にすがって祝福?を受けて
その次に>>553のお世話になっているお寺に連絡して
同じように相談してみるとか。



559
>>553 
すべてその愛人の恨みかなぁ?という印象を受けました。
その人は愛人としての立場を自覚していて
あなたの母親の仕打ちには恨みを持ったけど所詮日陰の身と割り切りはあったはず。
しかも自分にお店持たせてくれた人にまで仇をなすかな?
もっと前の古い恨みが母方(親族含めて)にないですか?
その愛人の恨みに何か便乗してるような気がしてならない(あくまで直感ですが)
家が檀家になってるお寺か密教系のお寺に相談してみると良いかも。
くれぐれも霊感商法的なところには気をつけて。



561
愛人も母親も不幸にしてる原因は父親なのにね
父親だけ恨まれればいいのに


560
>>553
平気で愛人持つような父親に対して
何も思ってなさそうなところが恐い、
母親が暴れたり
恐ろしい性格になったのは父親のせいじゃないのって思うけど。


562
>>560
>母親が暴れたり
>恐ろしい性格になったのは父親のせいじゃないのって

同意。
それで恐ろしい性格になったのだとしたら、
それだけお父さんに愛情があったという事だと思うし
尚更お母さんが可哀相な気が


563
>>先日誰にも見取られる事なく亡くなりました
>>山城新吾のような最後です

・・・とあるのでそれなりに父親に対しては
>>553は書いてないだけで憎しみや修羅場はあったと思うけどな?
お母さんのあまりの狂気っぷりに引いてしまったのはあるかもしれないけど。


566
お父さんの数々の浮気で神経やられたお母さんが凶暴化してしまったのか
お母さんが元々凶暴だったからお父さんが浮気逃げるようになったのか
どっちが原因かで読後感が随分変わってしまいますね。


568
おなごはのぉ。男のやりかた次第で鬼にも天女にもなるんや・・・
って大河ドラマの台詞にあった。


572
553です。
いくつかのレス有難うございます。
父が亡くなった時、なぜか私の脳裏に「これで呪いは終わった」という言葉が浮かんだのです。
母は業の寅年生まれの蠍座で我の強い性格で、母方の血で霊感持ちでした。
559さんは霊感のある方なのですか?
「母方に何かあるような」と書いてたので少し驚きました。
家族が修羅だったので、母は占いなどもよく行ってたのですが
「本来なら、そういう生まれだから修行や先祖参りを熱心にやらなければならないのにやらないから、、、」
と言われてましたが、母は聞くだけでとうとう何もやりませんでした。
そういえば、、、母の兄弟は男は何も問題はありませんが、女は3人不幸のうちに亡くなりました。
残った一人も霊感持ちで、不思議な縁で修行の世界に入って今は先祖供養を熱心にやってます。
「O家は(母の実家)やらなければならない仕事が沢山ある」と言ってます。
祖父が軍人で、大戦時の歴史的な出来事の(書き記すことは控えます)生存者だったのですが
何かあった、やったのかな、、、。
私も血を引き霊感持ちらしく、母の死後一年不思議な現象を数多く経験してしまい
悩みや恐怖からか、髪が半分白髪になってしまいました。まだそんな年ではないのですが、、、。
神社やお寺は、近くに行く機会があったらまめにお祈りしに行ったのですが
何の変化も無く、思い切って初めて伊勢神宮を訪れて神主様に祝詞を唱えてもらってお払いしてもらったら
ピタリと霊現象が止まりました。
お伊勢様の凄さを実感しました







引用:【恐怖】既女が語る恐い話【心霊】40