66 2018/06/29(金)
もう十年以上前の話だけど、語らせてくれ。
先に言っておくけど、実体験で自分が見たこと聞いたことだけしか書かないから、あまり期待しないで欲しい。質問は可能な限り答える。



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じゃあ語るぞ。

中1の頃、自然学校って言うの?学校の行事で山間の宿泊施設に泊まって、ハイキングや炊飯やったりするやつがあったんだよ。
その施設は以前、学校の行事とは別に利用したこともあるし(習い事の合宿だと思って欲しい)、山自体も別段ヤバい話があるような山じゃあなかったように覚えている。
で、定番といえば定番だけど、宿泊の初日の夜に、肝試しをやるって話になってたんだ。





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事前に学校で「ロウソクをペアで持って、宿泊施設脇のキャンプ施設を回る」って話になってて、脅かし役も決めてたんだ。
だけどいざ開催って時になると、思った以上に外が暗くて、教師側のストップがかかり「脅かし役はなし。ペアで進むけど、ペア同士の間隔はあまりあけない」みたいな話になってた。



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この辺りの経緯がどうなってたか、記憶が朧気だけど、確かなこととして

・俺(男)のペアは友人A(男)で、ロウソクはペアで一本になった。
・実際のペア同士の間隔は、ほんの2、3メートルくらいだった。
・ロウソクが消えた時用の予備として、各自で懐中電灯を持ってた(少なくとも、脅かし役じゃない俺は持ってた。友人Aが持ってたか定かではない)。

というのは、覚えていて欲しい。

んで、じゃあ本番と、担任が先導して、施設脇の森へ入っていったのよ。森の中は飯盒炊いたりキャンプファイヤーもやったりするような場所だったけど、流石に夜は真っ暗でテンションは皆高かった気がする。



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森の中、道をペアとは言え前後の距離が2、3メートルしか空いてない状態で馬鹿みたいに行進してたんだ。
俺も友人Aと話すだけでなく、前のペアとも色々喋ってたし、怖い印象なんてさらさらなかった。

だけど、今でもどうなってたかさっぱりなんだが、ふと気がついたら、前のペアがいなくなってた。
あれ、おかしいな?と思って、隣の友人Aがいることを確認。
で、その時だ。俺が持っていた、ロウソクの火が消えたんだ。



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確かに覚えていることとして、丁度ペアで真ん中に明かりがあるよう、俺は左手にロウソクを持ってて、右手に懐中電灯を持ってた。
前方のペアが見えなくなって、友人Aがいることを確認して、次の瞬間にロウソクが消えたんだ。

その瞬間、火事場の馬鹿力ってわけじゃあないけど、俺は懐中電灯を点けて、友人Aに「走るぞ!」って叫んだ。
よっぽどヤバいと思ったのか、俺達は前に向かって、一目散に走り出したんだ。

走ってから、体感的に十秒もなかったんじゃないかな?少し走ると、突然視界が開けて、星明りで明るい夜空が見えた。森を抜けて俺達は宿泊施設が見えるところに出れたんだ。
こうなれば、もうどこに行けば皆と合流できるかは分かったから、俺らは最後の合流地点のキャンプファイヤー用の広場に走った。
他のクラスメイトとは、すぐに合流できて、俺達はその場では「迷子になった」だとか、イタズラで列から抜けたような扱いになってた気がする。



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その後、キャンファイヤーでやる予定だった怪談話が披露されて、無事にイベントは終了・・・って話になった。

だけど、俺と友人Aは納得いかなかったんだわ。そもそも前後のペアに、俺達が消えたことについて聞いたら、気がついたら、みたいな説明しか返ってこなかったし、一本道からズレれば坂になってるような山道でどうやって俺達二人だけが迷うのか疑問だったんだ。



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そこで俺と友人Aは、あることを思いついたんだ。
森を出た場所は覚えてるんだから、道を逆に辿れば良いって。そうすれば、俺達が列から抜けて迷い込んだ道も分かるはずだって。

その思いつきは、自然学校最終日、施設から離れる前に行われる写生大会の時に実行しようって話になった。



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で、写生大会になって、俺と友人Aは道を逆走した。
こっから説明がややこしくなるんだけど、その宿泊施設と森の配置が




施設 国旗掲揚広場 芝生 森



っていう風になってるんよ。施設から前に広場があって、なだらかな坂になった芝生を挟んでレジャーが楽しめる森が施設周りを囲んでるって感じ。

で、昼になってから確認すると、どうも俺達は森を出て芝生の坂を登っていたとわかったんだ。実際無我夢中に坂を走った記憶もある。



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ただ、そこから森へは行けなかった。芝生に面した森は、全て生け垣(多分高さ1メートルくらいだと思う)が隙間なく配置されていて、森へは入れないようにされてたんだ。
施設側が山頂方面だから当然だけど、生け垣の向こうは人が歩けなさそうな急坂。暗いからと言って、とても迷い込めるような場所じゃあなかった。

俺も友人Aも、そこでようやく自分達がヤバい体験をしたんだと確信したんだ。



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その後、別にお祓いをしに行ったり、友人Aが氏んだりするようなことにはなってない。
友人Aとは今でも付き合いがあって、あの時の経験は神隠しって内容で偶に話したりもする。

で、こっからは俺達がその中学を卒業してからの話な。
友人Aと、あの時のことを話し合ってた時、友人Aが
「あの時お前、よくあんなに早く反応したよな」って言ってきたんだ。
そのことについては、俺もビビったのか、火事場の馬鹿力だったのか定かじゃあないけど、友人Aの話した内容と、俺の記憶と相違点があった。
友人Aは、俺達が前のペアがいなくなったと気づいた瞬間、ロウソクを手で消して、「走るぞ」って言ったと説明したんだ。



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これについては前に書いたけど、俺は「前のペアが消えた ⇒ ロウソクも消えた」のダブルパンチでヤバいって思ったんだ。だからロウソクは自分は消してないし、ロウソクを持ってない方の手は懐中電灯を持ってた。
でも友人Aは、「こうやって消しただろ」と、右手でロウソクの炎を上から手で叩くように消したのを見たって言うんだ。
俺はパニクっててよく覚えてないけど、ロウソクが消えるその瞬間は見てなかったように記憶してる。でも持ってるロウソクを手で消されたら流石に気づくし、誓ってそんなことはしてない。

こんな話。もう十年以上前の話だけど、未だに俺達がどうやって列を抜け出たのかは分かってない。長文すまん。







引用: 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?351