「悪徳陰陽師のNさんvsTさん」
「寺生まれ」…それは人智を超えた不可思議な霊能力を持った人間に与えられる称号――
俺の家にある忌部屋。何かを封印するかのように密閉されていたのだが、家のリフォームでその部屋を取り壊すことに…。そして、その頃から俺は何かに呪われたかのようにやつれていったんだ――
俺の家には忌部屋という、密閉された部屋があった。
唯一の出入り口は猫用の戸みたいなちっさいのが一つだけ。
窓の一つもない。
大きさは四畳半くらい。
家をリフォームするために忌部屋を壊すことになったが、
そのころから俺は魘されるようになった。
巨大な蛇が枕元に立ち、俺を睨んでいる悪夢も見た。
顔がやつれてきたときになって、流石に両親も心配し、
近所でも有名な陰陽師のNさんに頼むことにした。