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これは、僕が小学校四年の頃に遭った体験です。
八月のお盆の頃、僕は家族で母方の祖父母の家に帰省していました。
祖父母の家は、岩手県の北上市というところに在って、北上川のすぐそばでした。
二階の窓から外を覗くと、堤防が良く見えました。
その出来事が起こったのは、家に着いたその日の夜のことでした。

僕は二階の部屋で寝ていました。
夜中の二時ごろです。
遠くから聞こえる鈴の音で僕は目を覚ましました。
どうやら外から聞こえるようです。僕はそっと窓から外を見ました。
堤防に誰かいる!?それも六,七人・・・。
全員白い服を着て、一列に並び、先頭の者が鈴のような物を持っていました。
ゆっくりと堤防を歩いているのです。
みんなうつむいている様でしたが、辺りを見まわしている様にも見えました。
暗くて顔は良く見えませんでした。
僕は怖くなり、急いで布団にもぐりこみました。

次の朝、祖母にそのことを話すと、祖母は顔色を変えました。

「彼らに見つからなかったか?」
「どうして?何なの?あれは」
「あれに見つかってはいけない。あれは浮かばれない霊たちがこの頃になると、自分たちの身代わりを探してさまよっているのだ。見つかればあの中に引きこまれてしまう。」


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