実怖「河童?妖精?薄緑色の半透明な人間に遠くへ連れて行かれそうになった話」
祖父母が暮らしている場所はのんびりとした田舎で、周囲の人間関係も良好なため、子供のころは一人で家の近くの小川で遊んでいた。だがある日、薄緑色の体が透けたおかしな人間が目の前に現れ、私の手から花輪をむしり取り、そこから薄緑色人間と私は仲良くなっていったのだが――
幼稚園の頃、祖父母の住む田舎に行った時に不思議な生物に会いました。
のんびりとした田舎町で、周りに住んでいる人全員が家族のように仲がよい場所なの
で両親も心配せずに、私を一人で遊びに行かせていました。
ザリガニしか釣れないくらいの浅い川辺に、白詰草が咲いていたので
私は一人で母に教えてもらったばかりの花輪をつくっていました。
子供だったので、周囲も見ずに夢中で手元の花輪に集中していた時、
突然横から半透明の腕が伸びて、私の作っていた花輪をむしり取りました。
その人間(?)は薄い緑色の身体で透けていて、身体の向こう側の景色が
ぼやけて見えていました。
背丈は当時の私よりも少し大きいくらいだったので、幼稚園の年長か小学1年生ほど
の 体格だったと思います。
目も鼻も口も無くて、ただ、ゆらゆらと揺れる輪郭だけが人間の形をしていました。