249: 本当にあった怖い名無し 2013/09/09(月) 16:06:24.58 ID:d+vssfPQ0
洒落怖「不潔な男」
そこにはすでに男がいた――。
その日、親父の墓参りを済ませて、
自分のアパートに帰ってきたのは夜の八時ごろだった。
玄関を開けると、テレビが点けっぱなしになっているのが音と光で分かった。
しまったな、と思いながら電気を点け、テレビを消す。
部屋が無音になった途端、背後に嫌な気配がし始めた。
産毛をかすかに触れていくような意地の悪い感触だった。
ゆっくり振り返ると、部屋の隅に、壁に向かって立っている男がいた。
何をするでもなく、ただ壁に向かって立ち尽くしている。
後ろ髪は肩よりも長く垂れ、
身につけているのは小汚いタンクトップとトランクスだけだった。
部屋から出なければ。