山の怖い話『“絶対に顔を上げちゃだめ!”山で遭遇した視てはいけない異形達の行進』
小学生の時に学校行事で山に遠足に出かけた。引率してくれた先生が年輩で山にとても詳しい人だったので、色々と教えてもらいながら楽しく登山していたのだが――
まだ幼いころ、確か小学校3年くらいだったかなぁ。
どこの山だったか忘れたけど、学校の行事で遠足に行った時の話。
田舎の学校でそんなに生徒数がいる訳でもなかったので、
10数位ずつ一人の先生が引率して、グループで歩いたんだけど、
その先生がすごく年配で山に詳しい先生で、山についていろいろ話してくれた。
植物とか動物とか、後は忘れたけどなんかの民俗学的な話だったと思う。
普段は厳しくてそんなに人気のある先生って訳じゃなかったけど。
その時は優しそうに話してくれたから、生徒も楽しい感じで和気藹々としていた。
そんな感じでずっと登山を続けていて、特にトラブルに会うこともなかったけど、
山の中腹よりちょっと上のあたり、木々に囲まれて薄暗く、
少し銀色がかった木漏れ日が多少入ってくる程度の地点、
みんな足に疲れを感じ始めたくらいの頃に、その先生が急にこう叫んだ。
「左側に寄りなさい!」