
「自分の頭の破片を差し出しながらニコニコしてるおじさん」洒落にならない怖い話
田舎にある、知る人ぞ知る秘境の村に大学のサークル仲間と出かけた俺。美味しいパンを食べに行くという楽しい旅行のはずだったのに、なんであんな恐ろしい目に――
数年前、某県にある山での話。
俺は当時食べ歩きを目的とした大学サークルに入っていて、
一月に一回くらいのペースで美味いって評判の店なんかを巡ってた。
普段行くところはだいたい県内だったけど、長期休暇なんかには泊まりで遠出とかもしてたわけだ。
ある夏休みのこと。
先輩の一人が
「なあ、俺の田舎に知る人ぞ知るって感じの所があるらしいんだけど、行ってみないか?」
と言い出した。
先輩の話では、なんでもある山奥に有機栽培をしている農家が集まって出来た村みたいなものがあって、
その村では取れたての野菜を使って食事をさせてもらえたりするらしい。
で、先輩のお目当てはそこで売られている手作りのパン。
親戚がそこに行ったときのお土産としてもらったんだけど、物凄く美味しかったらしい。